「私のすきなお話は…」からはじまる鑑賞会
現在開催中の展覧会「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」関連企画として、小学生を対象としたこども鑑賞会「『ドン・キホーテ』の世界に旅立とう!」を4月22日(土)と5月27日(土)に実施しました。
みなさんは、『ドン・キホーテ』の物語を知っていますか?
騎士の小説を読みすぎて、自分を騎士と思いこんだ郷士「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」と、小太りの従者「サンチョ・パンサ」、老馬「ロシナンテ」の旅をコミカルに描いた物語『ドン・キホーテ』は、約400年前のスペインで生まれ、現在まで世界各国で出版されているお話です。多くの国で翻訳され、人気を博したこのお話は、色々な人の手によって挿絵や絵画が描かれました。
物語の世界を旅する今回の鑑賞会では、
準備運動として、まずは自分のニックネームと、自分がすきな物語やお話について自己紹介。
これまで読んだり、聞いたり、観たりして知っているたくさんのお話の中から、すきなお話を一つ選ぶのは意外と難しいものです。みんなじっくり思い返して選んでいました。


紹介されたお話は、他の参加者が「知ってる知ってる!」というものも、「知らないなあ」というものもあり、「こういう人が登場して…」「ここの場面がすきで…」と各々のお気に入りのポイントまで楽しくおしゃべりしました。
いよいよ本題。物語『ドン・キホーテ』の世界へ足を踏み入れます。
たくさんお話を知っている参加者のみんなも、『ドン・キホーテ』はまだ知らなかった様子。
本編はとても長いので、今回は絵本でお話の概要をつかみました。
初めての『ドン・キホーテ』にみんな興味津々。
ドン・キホーテの奇想天外な発想や危険を顧みない行動に、どんどん引きつけられます。


お話や登場人物の特徴をつかんだら、企画展示室に展示されている『ドン・キホーテ』の挿絵や絵画をみに行きました。
「こっちのドン・キホーテのほうがかっこいい感じ」「こっちの作品は影(の表現)が上手だと思う」と、同じ場面の作品を見比べてみたり、自分が物語の世界を描くとしたら、どの作品がイメージに近いか話し合ったり。時間いっぱい、物語と物語にまつわる作品の世界にどっぷりと浸りました。
今回読んだ絵本は、
ミゲル・セルバンテス・原作、石崎洋司・文、村上勉・絵『絵本・世界の名作 ドン・キホーテ』(講談社、2017年)です。長崎市立図書館などにも蔵書されているので、気になった方はぜひ読んでみてくださいね。
展覧会「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」は2023年6月11日(日)まで!