
くらべてみれば・・・
長崎県美術館には約8,000点の収蔵作品があります。その中から2つの作品をピックアップしてみました。それぞれの作品をよく観察してみましょう。
何だか似てる・・・でもここはちがう・・・
くらべながら観ていくといろいろな発見があるはずです。
色や形、ポーズや構図、画面全体から細部までをみくらべながら作品鑑賞を楽しんでみてください。
今回はこの2作品を紹介します。
あなたがまず気になったところはどこですか?
どちらも右手が指差している先には、書物にのった動物がいます。
この白い動物は子犬でしょうか?それとも子羊でしょうか?
ふたりとも長い髪の毛とひげがあります。
左の人は白くて巻髪だけど、右の人は黒髪です。
顔の細部に注目してみましょう。
目や眉の形はどうですか?

口元をみると右側の人は歯が見えています。

長く伸びた指、右側の人は血管が浮き出て見えますよ。

足の開き方や向きがちがう。立っている地面の模様も全然ちがう。

くらべてみると新たな発見がたくさんありますね。
他にも着ている衣服の色や形、素材、腰に巻いたひも・・・
後ろにかかっている布 似ているけれど、ちがう。
どちらも題名は≪洗礼者聖ヨハネ≫
作者は左:トラルバの画家 右:ペレーアの画家
描かれた年代は左:1430年頃 右:1500年頃
作者も年代もちがうけれど同じ人が描かれているみたいです。
この2作品から時代とともに表現の仕方もちがってくるんですね。

これらの作品について詳しく知りたい方は下記のリンクへアクセスしてください。
トラルバの画家 ↓ ↓
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/coa/colGetByArt.do?command=view&number=196
ペレーアの画家 ↓ ↓
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/coa/colGetByArt.do?command=view&number=199
長崎県美術館には、くらべてみるとおもしろい作品がたくさんあります。このように複数の作品を比べながら観ることを比較鑑賞といいます。比較鑑賞をするとおのずと作品をよく観察するようになります。作品をより深く味わうことができ、さらに作品の魅力に気づけるかもしれません。展示室で横並びに展示されている作品を見つけたら、ぜひ比較鑑賞をしてみてください。
「くらべてみれば、みえるもの。-長崎県美術館コレクションから」
5/25(月)より開催中!! ぜひこちらも足をお運びください。