みんなのアトリエ「サイアノタイプでプリントしよう!」
8月28日(日)写真の古典技法であるサイアノタイプを用いた写真プリントのワークショップを実施しました。サイアノタイプとは1842年にイギリスのジョン・ハーシェルによって発明された印画技法で、日本では青写真とも呼ばれています。
まずはカメラ・オブスキュラを実際に見ながら、レンズを通して投影された像が、どのような支持体に印画されてきたのかという写真プリントの歴史を簡単に振り返りました。

今回のWSでは、印画紙を手作りしていた180年前の技法に取り組むことで、写真を印画することの面白さを再発見します。写真をプリントする支持体はケント紙、マーメイド紙(水彩画用紙)、木板、綿布の4種類です。
これらの素材に感光性の薬剤を筆で塗る作業から始めます。この液を塗った部分に、太陽光(紫外線)を当てると化学変化によって色が青色に変化します。

サイアノタイプは露光(写真を焼き付ける作業)に太陽の光を使うため、天候や時間に合わせて露光時間を調整する必要があります。印画紙が乾くのを待つ間、テスト露光を行いました。太陽光に当てるとみるみるうちに感光液を塗ったところの色が変化します。

露光テストの結果をもとに、焼き付け時間をそれぞれ設定します。乾燥させた感光紙に、事前に準備したネガティブを密着させて露光の開始です。(ネガティブは参加者の皆様が撮影した写真から事前に用意をしました。)
「薄めの水色くらい」、「はっきりと濃い目にしたい」、出来上がりの雰囲気を想像しながら、焼き上がりを待ちます。

露光の後は、薬剤を水洗し現像作業を行います。日光が当たっていない部分の薬剤が洗い流され、はっきりとしたコントラストが浮かび上がります。最後はオキシドール液に浸け、像を固定させたら完成です。

一回目で思い通りの写真ができた人もいれば、「もっと長く/短く露光すればよかった!」という人も。焼く枚数を重ねるにつれて微妙な感覚がつかめてくるのもサイアノタイプの醍醐味です。
ほかの参加者の作品を参考にしてみたり、参加者同士で情報を交換したりしながら試行錯誤を重ね、それぞれ4枚の写真を仕上げることができました。



旅行先の風景や、家族の姿、何気なく撮った桜、用意された写真は皆さんそれぞれでしたが、その写真に合ったプリントや支持体とは何かということを考えながら楽しく制作ができました。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。