みんなのアトリエ 「清水久和のデザイン」関連企画「あの人の鏡の髪型をつくろう!」
11月7日(日)、プロダクトデザイナーの清水久和さんを講師にお招きし、清水さんのシリーズ作品「鏡の髪型」(2008-2009年)にちなんだワークショップを実施しました。
デザインする上で、清水さんは「記憶」をとても大切にしています。
子どもの頃よく食べたアイスの色や形、歴史の教科書や時代劇で見たような昔の人物の髪型、ちょんまげ…。清水さんの記憶から生み出されたデザインは、みる人の記憶や共通認識にもリンクし、日常のなかの発見や喜びをもたらします。
鏡を見ると、ついつい髪型を気にしてしまう人が多いのではないでしょうか。清水さんもその一人。
鏡を見るたびに自分の髪型に目がいってしまう煩わしさをなくすため、鏡そのものに髪型をつけることにしました。
それが「鏡の髪型」シリーズのはじまりです。
今回のワークショップでは、清水さんと一緒に「鏡の髪型」づくりを行いました。参加者ペアがよく知っている家族や親戚、友だちなど、特定の人物を「あの人」として、その人物のイメージや印象深いエピソードなど、記憶をたよりに鏡に髪型をつくりました。
まずは、常設第4室で開催していた「清水久和のデザイン」展を鑑賞。その後アトリエで、鏡の髪型についてお話を伺いました。


いよいよ制作開始。
「誰を『あの人』にしよう?」「『あの人』はどんな髪型だったっけ?」参加者ペアでお話をしながら、メモやスケッチでイメージをふくらませました。
今回使った鏡はアクリルミラーといって、清水さんの「鏡の髪型」シリーズと同じ素材です。
画用紙、毛糸、布、モールなどたくさんの素材から、自分のイメージに合うものを選び、鏡につけていきました。材料の選び方や接着方法など、時折清水さんのアドバイスを受けながら、大人も子どもも夢中になって制作していました。




親と子、それぞれの視点からみた「夫/父」、「父/祖父」など家族のほか、「理想の自分」「歴史上の人物」など独自のテーマを設定した参加者ペアもいました。
作品が完成したら、壁にかけて自分の作品を紹介し合いました。同じ人物をモデルにしていても、つくり手の視点が違うとまったく異なるデザインの髪型になり、発表を聴きながらその違いを楽しみました。


プロダクトデザイナーの清水さんとの活動に、参加者の皆さんは初め少し緊張していた様子でしたが、制作が進むにつれてどんどん質問も増え、和気あいあいとした雰囲気で制作していました。
このワークショップを通して、「記憶」を大切にしている清水さんのデザイン観に、触れていただけたのではないでしょうか。


ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。