第2回こどもアートクラブ 「サイアノタイプに挑戦!」

8月20日(土)、2回目のこどもアートクラブを実施しました。今回は「サイアノタイプに挑戦!」と題し、一般的に青写真または日光写真と呼ばれる写真技法のひとつにチャレンジしました。はじめに写真の歴史を知ってもらうため、カメラの起源でもあるカメラ・オブスキュラを見せ、箱の中をのぞきレンズを通して見える風景を写し取って記録していたことを話しました。そこから多くの研究や改良がなされ、どんどん進化していったカメラの形や写真の原理について学びました。

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制作途中の時間には実際にカメラをさわったり、ネガを観察したりしました。普段、スマホやipadで撮影をすることが多いこどもたちは見慣れないカメラやフィルムに興味津々でした。

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いよいよサイアノタイプによる制作です。はじめに印画紙をつくるため、暗くしてある講座室へ移動しました。そこで、38㎝四方の画用紙に刷毛を使って感光液をむらなく塗っていきました。感光液はクエン酸アンモニウムとフェリシアン化カリウム水溶液を混ぜたものです。印画紙を乾かしている間にアトリエにて青い画用紙の上に写し取りたいモノを選び画面構成を考えます。モノを置いたところは白くなり、置いていないところは感光液が紫外線を浴びて化学反応を起こし、青色に変化します。こどもたちは、モノの向きを変えたり、重ねてみたり、光を透過するものとしないものを組み合わせてみたり、自分なりに完成を予想しながらレイアウトしていました。

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次は、乾燥させた印画紙に青色画用紙に置いたモノを手早く構成しなおします。そしてガラス越しの日光の当たる場所に移動し、露光しました。

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露光時間は約30分間。日光を浴びた画用紙は、みるみるうちに色が変化します。どんなふうに仕上がっていくのかワクワクしながらその様子を観察していました。

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露光している間に常設展示4室へ移動し、東松照明:「ブリージング・アース」シリーズの写真作品を鑑賞しました。「これは絵なの?写真なの?」という第一声から始まり、「石ころのように見える」とか「動物の皮膚みたい」「川のような筋が見える」と作品から受ける印象を話し合いました。そして作品の表面がとても光沢があり、クリアに見えることにも気づき、これがクリスタルプリントされているものだと知りました。

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次は現像です。30分間露光した紙は、黒に近い色まで変化していました。紙を破らないようにやさしく水洗いし、10倍に薄めたオキシドール液につけます。すると白い部分はより真っ白になり、青い部分はより濃い鮮やかな色が出てきました。再度すべて水洗いした後、窓際で乾燥させます。

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最後は、保護者の方も交えて完成作品の鑑賞会。自分の作品について数名紹介してもらいました。「見る人が自由に想像してほしい」とか「夏のひまわりをイメージした」などそれぞれが自分の思いを話してくれました。

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次は最終回、9月10日(土)です。

作家、井川惺亮さんを講師にお迎えし、共同制作に挑みます。お楽しみに。

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