長崎県美術館2021こどもアートキャンプ_2日目
2日目は作品完成に向けて、仕上げの作業でした。



10枚の板を3つのグループに分けて、それぞれ担当チームを作って取り掛かりました。牧野さんからそれぞれのチームの子どもたちへ、作品を前にしながら、この部分を黒く塗ってほしい、砂を使って大きな数字を描いてほしい、など、取り組んでほしい作業についてお話がありました。



昨日は使わなかった、膠水を混ぜた絵の具や、黒い砂などを使いながら、形や色の強弱をつける足し算、引き算の作業を行いながら、作品を仕上げていきます。

作品制作が終わった後に、もう一度展示室へ。そこでアントニ・タピエスの作品と、ジョアン・ミロ(1893 – 1983)の作品≪絵画≫(1936)を鑑賞しました。活動を振り返りながら、改めて素材や描き方に注目しながら鑑賞しました。牧野さんからは、
・絵は、描くものじゃなくて、つくるもの。
・だれもしていないことを初めて思いついて、それを実行できる人が本当のすごい人。みんなの中から、そんな人が生まれてくれたらうれしい。
といったお話がありました。
牧野さんからのメッセージは、みんなの心にどのように響いたでしょうか。

最後は保護者の方も一緒に鑑賞会。牧野さんからは、作品をつくるときは、描き足していくだけじゃなくて引くこと、消すことも大事、などといったお話を聞きながら、子どもたちの作った作品を鑑賞しました。

完成した作品は、こどもアートキャンプ終了後~8月1日までアトリエにて展示しました。
あらかじめ決められた完成形に向かって制作するのではなく、視点やつくりかたを変え、常に考えながら制作するという、制作プロセスを重視した制作体験ができたのではないかと思います。そして初めて会うお友達との共同制作を通して、自分以外の人と一緒に作品をつくることの楽しさや難しさ、話し合うことの大切さも感じることができたと思います。