長崎県美術館2022こどもアートクラブ第1回目実施しました!
小学生を対象に、年間複数回のワークショップを通して美術に親しむ機会を提供する「こどもアートクラブ」が今年もスタートしました。
新型コロナウイルス感染症の流行により、昨年は1回きりのワークショップ「こどもアートキャンプ」として実施しましたが、今年は7月から9月まで全3回のプログラムを実施します。本プログラムは例年多くの方に関心を寄せていただいており、今年は約100名の申し込みの中から、22名の参加者を抽選にて決定しました。全3回の活動は、長崎大学教育学部の学生さんにもサポートしていただく予定です。
7月23日(土)の第1回目は「びじゅつかんってどんなところ?」と題し、グループに分かれて作品鑑賞や館内各所をめぐるツアーに出かけました。
受け付け後、グループに分かれて席に着いた参加者たちは緊張ぎみの様子。同じグループの参加者や大学生と一緒に、当館特製のアートカードで遊びながら緊張をほぐしていきます。当館の収蔵作品の写真がプリントされたカードのなかから代表者が1枚選び、他の参加者は、代表者に「はい」か「いいえ」で答えられる質問をして、カードを探し当てます。
「どんな質問をしようか?」「きっとこれじゃないかな?」と、グループはみな大盛り上がり。カードにプリントされた作品の写真をよく観察して、独自の観点で作品と作品の相違点を見つけ出し、慎重に、時に大胆にカードを選り分けていきます。最後に、代表者が選んだカードを発表すると「おおー!」と歓声が上がりました。

参加者の緊張がほぐれたところで、いよいよメインの活動に移ります。
参加者に「美術館ってどんなところだと思う?」と問いかけると、これまでに美術館を訪れたことのある参加者は、「作品が飾ってあるところ!」「作品をつくるところ!」と元気よく答えました。確かに作品は展示されているし、ワークショップで作品をつくることもあります。
―しかし、それだけでしょうか?
今回は、まだ知らない美術館の一面を自分の目で見つけていきます。
「どんな作品があるだろう?」
アートカード遊びで培った観察眼や想像力を使って、常設展示室で作品をじっくり鑑賞。作品をみて思ったことや気になったことを話し合い、グループごとにさまざまな角度から作品を捉え、作品の世界観や作者の意図などを想像することができました。
さらに常設展示室をぐるっと一周しながら、部屋ごとに異なるテーマで作品が展示されていることなど、展示室の構成についてもお話しました。

作品のなかの人物のポーズから状況を考えたり、

作品の色からイメージを膨らませたり…。色々な発見や意見が飛び交いました。
次は、美術館の建物の探検ツアーです。
普段何気なく目にしている美術館のデザインの特徴や、美術館ならではの設備について、実際に見たり触ったりしながら学びます。

白くてつるんとした見た目の壁は、触ってみると「ちょっと冷たい」「ガラスみたい」。長崎県の波佐見町で約400年の歴史がある「波佐見焼」でできていることを知りました。

来館経験のある参加者も、「屋上に上がれることは知らなかった!」と興味津々。彫刻作品をやさしく触って、素材感を確かめました。
この後は美術館のバックヤードに進み、美術館が担う役割と機能について見て回りました。
今日の活動はここまで。
活動を通して、参加者一人ひとりが自分の目で見て、感じて、考えて、作品や美術館について理解を深められたのではないでしょうか。
次の活動は8月20日(土)です。
太陽の光を使う印刷技法「サイアノタイプ」に挑戦します。次のレポートをお楽しみに!