エル・グレコ:変貌の過去と現在
長崎県美術館は、4月23日に開館5周年を迎えます。
これを記念して、スペイン国立プラド美術館が所蔵するエル・グレコ作《聖母戴冠》を特別展示いたします。
当館は、須磨彌吉郎(すま・やきちろう)氏旧蔵作品を核とした、東洋有数の規模のスペイン美術コレクションを所蔵しています。
そうした経緯から、開館前の2004年11月にスペイン国立プラド美術館と交流関係の覚書を交わしており、今回ついに作品借用が実現しました。
スペイン国立プラド美術館
その作品が、こちら!
エル・グレコ《聖母戴冠》 1591-92年頃 プラド美術館蔵
日本でも高い人気を誇るスペインの大画家、エル・グレコ(1541-1614)。
現在国内で所蔵されている作品は2 点のみであり、この《聖母戴冠》は日本初公開となります。
関連企画のお知らせ
プラド美術館所蔵 エル・グレコ《聖母戴冠》特別展示 記念フォーラム
「エル・グレコ:変貌の過去と現在」
ギリシアに生まれ、イタリアを経てスペインで大成した、変貌の画家エル・グレコ。
400年の月日を経てなお深まるエル・グレコ芸術の多彩な魅力とその数奇な歴史を、スペイン及び日本の専門家を招いて明らかにします。
日時2010年4月24 日(土) 13:00-17:00
会場長崎県美術館ホール
定員第一部・第二部ともに各100 名(先着順)
※聴講無料(ただし、美術館コレクション展観覧券が必要です)
[第一部] レティシア・ルイス・ゴメス(プラド美術館学芸員)講演会
13:00-13:20 事業報告:「長崎県美術館とプラド美術館の交流事業とエル・グレコ《聖母戴冠》」/野中明(長崎県美術館学芸員)
13:20-14:50 基調講演:「エル・グレコの絵画における聖母マリア像」(スペイン語講演)/レティシア・ルイス・ゴメス *逐次通訳:久米順子(東京外国語大学大学院講師)
[第二部] トーク・セッション「エル・グレコ:変貌の過去と現在」
15:10-15:35 トーク1:「遍歴の画家エル・グレコ像の変転―過去から現在、そして未来へ」/大髙保二郎(早稲田大学文学学術院教授)
15:35-16:00 トーク2:「エル・グレコの初期活動に関する若干の考察(仮題)」/越川倫明(東京藝術大学美術学部教授)
16:00-16:25 トーク3:「見果てぬ夢―須磨彌吉郎とエル・グレコ」/川瀬佑介(長崎県美術館学芸員)
16:30-17:00 ディスカッション
司会/大髙保二郎
出演/レティシア・ルイス・ゴメス、越川倫明、川瀬佑介
長崎は、エル・ グレコが生きた時代にキリスト教がもたらされ、現在に至るまでとりわけマリア信仰に篤い土地柄です。
この地で《聖母戴冠》をご覧いただくことは、歴史的な意義も深いのではないかと考えます。
マニエリスム※最後にして最大の画家エル・ グレコが描いた天上の光を、ぜひご堪能ください。
※美術史上、ルネサンスからバロックへ移行する時期の誇張の多い技巧的様式
エル・グレコの活躍したスペインの古都トレド



講演会「プラド美術館の魅力~栄光の歴史とコレクション」
日時6 月12 日(土) 14:00 ~ 15:30
講師川瀬佑介(当館学芸員)
会場長崎県美術館ホール
定員100 名(先着順)
※聴講無料(ただし、美術館コレクション展観覧券が必要です)
特別展示を記念して、講演会も開催します!
スペイン国立プラド美術館は、日本からも毎年数多くの美術ファンや旅行者が訪れる、世界屈指の西洋絵画の殿堂です。
エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、ティツィアーノ、ルーベンスらの傑作の数々が彩るそのコレクションの魅力を、スペイン王家500年の歴史と絡めながら、わかりやすくご紹介します。
皆様、ぜひご参加ください!