第6回コレクション・イン・フォーカス
9月6日(日)に第6回コレクション・イン・フォーカスがありました
その様子をご紹介します
講師は、野中明学芸員でした
所蔵品のマノロ・バルデス作《黒い背景の肖像》(1991年)を中心に取り上げました
彼がメンバーであったエキーポ・クロニカ(報道チーム)という芸術ユニットやその表現の変遷などについて語られました
上の写真のように、当館所蔵のバルデス作品(上左)には元となる古典作品(上右)がありますこの作品(上左)が誕生した経緯について、当時の社会の様子や美術の動向とを比較しながら理解することができました
特にアメリカのポップアートからの影響については、作品を一見してもまったく接点が見いだせなかっただけに、講話を聴いてたいへん驚きでした
エキーポ・クロニカの活動には、スペイン、フランコ政権下の体制批判が隠されていました
美術というものが、常に新しい表現や視点の追求を目指しているとともに、社会や時代と分かちがたく関係していることを感じました
参加者アンケートによると、難しく難易度が高い内容だったという意見とともに、日ごろなじみの薄い現代美術について知る機会となり、非常に興味深く、新鮮で勉強になったという感想も目立ちました
当館学芸員や専門家が行う連続レクチャー「コレクション・イン・フォーカス」全12回。当日受付、聴講無料です
次回のテーマは「ジョアン・ブロッサの作品」です。当館所蔵の版画作品を中心に、カタルーニャの詩人ジョアン・ブロッサのユニークな活動をご紹介します。講師は野中明 学芸員です。今後の予定はこちらをクリック!