ワークショップ・講演会
第6回ウィークエンドミュージアム「織ってつくるグリーティングカード」
3月3日(日)は今年度最後のウィークエンドミュージアムでした。
今回のテーマは「織る」ということで、様々な色合いや手触りの紙を織物のタテ糸、ヨコ糸に見立て1枚のグリーティングカードに仕上げました。
台紙に切れ目を入れてヨコ糸をつくり、その隙間にタテ糸の紙を織り込んでいくというシンプルなつくり方なのですが、皆さん様々な工夫を凝らしながら素敵な織り模様を作られていました。
直線、ナミナミ、ギザギザなどいろいろな形を組み合わせて、ヨコ糸、タテ糸を作ってみたり・・・
配色にこだわったものや、画用紙、和紙、ミラーペーパーなど異なるテクスチャを組み合わせた模様など、ここで紹介しきれないくらいたくさんの素敵な「織り」ができていました!
最後はメッセージ用の中紙を綴じてカードの完成です。
ご家族や、お友達、転勤になった先生に思い思いのメッセージを書かれている姿も印象的でした。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
また次年度のウィークエンドミュージアムへのご参加をお待ちしています!
第5回ウィークエンドミュージアム
「まわるスクラッチ灯籠」
長崎市内のランタンフェスティバル開催期間に合わせて、2月11日(日)、第5回ウィークエンドミュージアム「まわるスクラッチ灯籠」」を実施しました。
スクラッチ(scratch)には、「ひっかく」という意味がありますが、美術の技法としては、紙などに下地の色を塗った上から黒いクレヨンなどを塗り、それを削ることで、下地の色を出しながら線や面を描くことを指します。
今回は回して楽しめるミニ灯籠を作りました。透明のプラスチックコップの側面や底面を黒のアクリル絵の具で塗り、乾燥させた後に竹串を使って削り絵を描きました。
皆さんあれこれ考えながら、コップの表面をスクラッチして描いています。
絵を描いたら、コップの内側から削った線の部分に油性カラーペンで色をぬり、彩っていきます。
できあがり!
暗い部屋に移動して、明かりをつけてみましょう!
トレーシングペーパーをランプシェードのように配置すると、ちょうどすりガラスに映ったような柔らかな光となり、くるくると模様が動く様子を楽しんでもらいました。
第2回ウィークエンドミュージアム「万華鏡ワールド」
10月1日(日)、アトリエとホールの2つの会場を使い、万華鏡の世界を楽しむワークショップを実施しました。
今回つくった万華鏡は、三角形に組んだ鏡を仕込んだ筒の先に車輪のような円盤(ホイール)を取り付け、それを回す事で変わっていく模様を楽しむホイールタイプというものです。参加者の皆さんには、まるくカットした厚紙に、色紙等の様々な色や模様の紙を貼り付けたり、カラーペンで色を塗ったりしてホイールになる部分をつくってもらいました。
このようにしてつくったホイールを持ってホールへ移動。三面鏡を仕込んだ万華鏡の装置にセットしスクリーンに映し出すと、目の前には万華鏡の世界が出現!ホイールを回すことによって美しい模様の移り変わりを楽しみました。
また、ご家庭でもつくったホイールを使って万華鏡を楽しんでいただくために、万華鏡キットを参加者全員に配付しました。※画像は完成した参考例です。
たくさんの方々にご来場いただき、万華鏡の世界を楽しんでいただくことができました。
ウィークエンドミュージアム「流し絵うちわ」
9月10日(日)、今年第1回目のウィークエンドミュージアムを実施しました。残暑が続く中、流し絵の技法で爽やかなうちわづくりを楽しみました。
厚紙の周囲を折ってトレイの形にし、色水を垂らした後、紙を傾けて流します。思ってもいないところに色水が流れたり、色水どうしが混ざり合い新しい色が生まれたりと、偶然できる色や模様の面白さを味わっていただけたようでした。色水を乾かした後、型紙を使い好きな部分をうちわのかたちにくりぬいて、木の棒をくっつけて完成!皆さんのつくったうちわを見てみましょう。
幅広い年齢層の皆様に参加いただき、それぞれ素敵なうちわができていました。暑い夏も流し絵うちわで乗り切っていただけたでしょうか?ご参加いただいた皆様ありがとうございました!
割れ・欠けから見つめる工芸の世界②「波佐見焼コースターづくり」
金継ぎ体験に引き続き、8月27日には「波佐見焼コースターづくり」を実施しました。
材料として用意したのは波佐見焼の陶片と、やきものを焼成する時に使う窯道具の「ハマ」。ハマはとても重要な窯道具ですが、一度使ったら廃棄されてしまうものもあります。そこで今回は、「Utte(波佐見焼産地から産業廃棄物を減らすプロジェクト)」さんにご協力いただき、陶片と使い終わったハマで新たな作品を生み出すプログラムを企画しました。
まずは、陶片のなかからお気に入りの色や形、模様を見つけます。宝探しをするように、参加者は目をキラキラさせながら陶片を選び、どのようにハマに配置するかデザインしていきました。あとは陶片とハマを接着して完成!
ハマの中心を空けてコースターにするもよし、一面全体を陶片で埋めてオーナメントにするもよし、と参加者のアイデアで自由に作品づくりを楽しんでいただきました。
また、博物館実習生やアートボランティアが各テーブルで波佐見焼やハマについてお話しながら、参加者の制作をお手伝い。デザインの相談に乗ったり、小さなお子さんの接着をサポートしたりと、会場は終始和気あいあいとした雰囲気に包まれていました。
ハマをしげしげと眺めながら「こういうものを使って器ができているのね」とつぶやいた方。できあがった作品を新聞紙で大事に包みながら「また波佐見焼で何かつくりたい!」と意気込んだお子さん。シンプルな制作のなかで、参加者各自がしっかりとやきものへ思いを巡らせていました。
夏のわくわく美術館、これにて終了!
次のプログラムもお楽しみに!
※「波佐見焼コースターづくり」は当日開館直後から多くの方がお越しになり、館内の混雑緩和のため急遽整理券を配布させていただきました。急な変更によりご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。
割れ・欠けから見つめる工芸の世界①「金継ぎ体験」
おとなもこどもも楽しむ夏のわくわく美術館、実施しました!
企画展「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」(2023年7月1日~9月3日)や、コレクション展「2022年度新収蔵作品」(2023年7月27日~10月22日)にてガラスや陶磁器の作品が出品されることから、大きなカテゴリーで「工芸」をテーマに展開した本プログラムは、「金継ぎ体験」と「波佐見焼コースターづくり」の2本立てで実施しました。
金継ぎは、陶磁器などの割れ、欠けをうるしなどで貼り合わせ、金属粉で装飾する日本の伝統的な修復技法です。今回は日常生活で何気なく使っている器や、思い入れのある器に向き合う場として「金継ぎ体験」を8月5日に実施しました。
講師は、美術家として金継ぎの魅力を世界に発信し続けているナカムラクニオさんをお迎えしました。幼少期から美術が好きだったナカムラさんは、テレビ局勤務時代に全国各地で取材するなか金継ぎと出会い、モノの新しい価値を創造する金継ぎの魅力に強く惹かれ、現在国内外で活動されています。
参加者の皆さんが持参された器を1点1点ナカムラさんが確認し、どのように直していくかアドバイスしながら進めていきました。いろいろな金継ぎの方法がありますが、今回は体験なので、接着剤とかぶれない新うるしを用いた方法で実施しました。
まずは割れを接着し、欠けた部分をパテで埋めます。パテが乾いたら丁寧にヤスリをかけていきます。実はこのヤスリがけがとても大事な時間。パテ部分が器に馴染むよう、1時間以上じっくりと取り組みました。その後、器の色に合わせて金属粉とうるしを混ぜたものを割れ目やパテ部分に塗り、乾いたら金属粉を散布して完成です。
参加者の皆さんは、慣れないパテやヤスリの扱いに苦戦しながらも、時間をかけて作業する過程で器に向き合い、「『織姫』という言葉が頭に浮かんだ」「器が猫の額のように見えてきた」など、それぞれの発想で完成した器に銘をつけていました。
みんなのアトリエ「サイアノタイプでプリントしよう!」
8月28日(日)写真の古典技法であるサイアノタイプを用いた写真プリントのワークショップを実施しました。サイアノタイプとは1842年にイギリスのジョン・ハーシェルによって発明された印画技法で、日本では青写真とも呼ばれています。
まずはカメラ・オブスキュラを実際に見ながら、レンズを通して投影された像が、どのような支持体に印画されてきたのかという写真プリントの歴史を簡単に振り返りました。

今回のWSでは、印画紙を手作りしていた180年前の技法に取り組むことで、写真を印画することの面白さを再発見します。写真をプリントする支持体はケント紙、マーメイド紙(水彩画用紙)、木板、綿布の4種類です。
これらの素材に感光性の薬剤を筆で塗る作業から始めます。この液を塗った部分に、太陽光(紫外線)を当てると化学変化によって色が青色に変化します。

サイアノタイプは露光(写真を焼き付ける作業)に太陽の光を使うため、天候や時間に合わせて露光時間を調整する必要があります。印画紙が乾くのを待つ間、テスト露光を行いました。太陽光に当てるとみるみるうちに感光液を塗ったところの色が変化します。

露光テストの結果をもとに、焼き付け時間をそれぞれ設定します。乾燥させた感光紙に、事前に準備したネガティブを密着させて露光の開始です。(ネガティブは参加者の皆様が撮影した写真から事前に用意をしました。)
「薄めの水色くらい」、「はっきりと濃い目にしたい」、出来上がりの雰囲気を想像しながら、焼き上がりを待ちます。

露光の後は、薬剤を水洗し現像作業を行います。日光が当たっていない部分の薬剤が洗い流され、はっきりとしたコントラストが浮かび上がります。最後はオキシドール液に浸け、像を固定させたら完成です。

一回目で思い通りの写真ができた人もいれば、「もっと長く/短く露光すればよかった!」という人も。焼く枚数を重ねるにつれて微妙な感覚がつかめてくるのもサイアノタイプの醍醐味です。
ほかの参加者の作品を参考にしてみたり、参加者同士で情報を交換したりしながら試行錯誤を重ね、それぞれ4枚の写真を仕上げることができました。



旅行先の風景や、家族の姿、何気なく撮った桜、用意された写真は皆さんそれぞれでしたが、その写真に合ったプリントや支持体とは何かということを考えながら楽しく制作ができました。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
土地の名展関連企画「ボン・ボヤージュ! 美術館からポストカードを送ろう」

2021年12月4日(土)、18日(土)にポストカードキットの販売を行いました。
キット内容はポストカード、オリジナル切手、色画用紙、シール。
美術館でつくって送れるキットになっています。

皆さんキットを購入したら、バインダーと色鉛筆をもって展示室へ。
無地のポストカードに、企画展「土地の名──土地と記憶をめぐる旅 長崎県美術館コレクションから」 で展示されていた作品をスケッチしました。
気になる作品が見つかったら、早速スケッチを始めます。


パリ、ヴェトゥイユ、ポルボウ、長崎。
様々な芸術家が表現した「土地」の空気感を味わいながら、
それぞれの作品の前でスケッチを楽しまれているようでした。



ポストカードにスケッチできたら、当館所蔵作品、横手貞美≪アトリエの中庭≫(1928年)がプリントされたオリジナル切手を貼って完成です。
おじいちゃん、おばあちゃん、昔の仕事仲間や遠方のお友達。
思い思いの人へ宛てたメッセージを添えて投函しました。
送る人も、受け取る人にとっても大切にしたい特別なポストカードになったのではないでしょうか。





ご参加いただいた皆さまありがとうございました。
オンラインワークショップかさねてあそぼう
4月25日(日)長崎県美術館アトリエと各家庭をZoomでつないでオンラインワークショップを行いました。
昨年から始まり今回3回目となるオンラインワークショップでは 開催中の常設展、長崎開港450周年記念「長崎港をめぐる物語」に関連して、海や港をテーマにしたレイヤーアートを作りました。
午前と午後で各回5組の方にご参加いただきました。
レイヤーアートとは複数のレイヤー(透明シート)にそれぞれ違うモチーフを描いたものを重ねることで、奥行きや立体感の生まれる作品のことをさします。
今回のワークショップでは4枚の透明シートを使い、最後はフレームに入れておうちに飾れるように仕上げました。
まず長崎県美術館アトリエから見える長崎港の風景を紹介しつつ、「海や港にはどんなものがあるかな?」などワイワイとお話をしながら、4枚の透明シートにモチーフを描いていきました。
1枚目は海、2枚目は空、3枚目は海の中、4枚目は自由というテーマで描きました。

みなさんすてきな海の風景が完成しました。

完成後、参加者の皆様には簡単な4コマストーリーを作ってもらい、発表をしてもらいました。


北極の海や、夜の海、いろんな海を想像しながら、それぞれオリジナルストーリーが生まれました。


ワークショップ後に、おうちに飾っている写真も送っていただきました。
完成した作品はジャバラ状のフレームに入れて順番を入れ替えることもできます。

置く場所や光の当たり方によっても雰囲気が変わります。

こちらはキットに同封していたトレーシングペーパーを活用されていて、すりガラスのような効果が出ています。
みなさんそれぞれの工夫を凝らした、とてもすてきなレイヤーアートが完成しました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
美術館ではこれからもオンラインでも参加できるワークショップなどを開催いたしますので、ぜひご参加ください。
春の小箱をつくろう
3月7日に美術館のアトリエと、各家庭をZoomミーティングでつないでオンラインワークショップを行いました。
今回のワークショップでは、古くは室町時代から続く日本の伝統工芸『押し絵』を施した、手のひらサイズの小箱作りをしました。
箱の展開図を切り取り、組み立てる作業から、押し絵のモチーフを作る作業まで、みなさん真剣に取り組まれていました。
さて、どんな作品ができたか見てみましょう。

こちらは桃の花のモチーフを二つ重ねて作ってくださいました。おしゃれなお菓子入れとして活用してくださっています。

こちらは桃のモチーフです。ひょうたん柄の古布が素敵なアクセントになっています。

こちらの桃はオレンジと黄色の、とてもさわやかな色の組み合わせです。同じ型紙でも色の組み合わせだけで印象が大きく変わりますね。

鮮やかなピンクの絞り染めの古布を使った桃の花です。今回最年少の方でしたが、とても上手にできています。

こちらの桃は黄色い蝶が右下に顔を出しています。柄を上手に使うのも押し絵の楽しさの一つですね。
今回は手軽に手に入る無地のちりめんや、美術館アートボランティアから募ったユニークな柄の着物端切れまで様々な素材を使ってみました。
みなさんのおうちに眠っている端切れでも活用できますので、ぜひオリジナルの押絵に挑戦してみてくださいね。
今回のワークショップは各回5組という限られた人数ではありましたが 、ワークショップによく参加される方から初めての方まで、一緒に楽しい時間を共有することができました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
また美術館では引き続き、このようなイベントを定期的に開催していきますのでどなたでもお気軽にご参加ください。