アトリエ便り

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金継ぎ

割れ・欠けから見つめる工芸の世界①「金継ぎ体験」

おとなもこどもも楽しむ夏のわくわく美術館、実施しました!

企画展「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」(2023年7月1日~9月3日)や、コレクション展「2022年度新収蔵作品」(2023年7月27日~10月22日)にてガラスや陶磁器の作品が出品されることから、大きなカテゴリーで「工芸」をテーマに展開した本プログラムは、「金継ぎ体験」と「波佐見焼コースターづくり」の2本立てで実施しました。

金継ぎは、陶磁器などの割れ、欠けをうるしなどで貼り合わせ、金属粉で装飾する日本の伝統的な修復技法です。今回は日常生活で何気なく使っている器や、思い入れのある器に向き合う場として「金継ぎ体験」を8月5日に実施しました。

講師は、美術家として金継ぎの魅力を世界に発信し続けているナカムラクニオさんをお迎えしました。幼少期から美術が好きだったナカムラさんは、テレビ局勤務時代に全国各地で取材するなか金継ぎと出会い、モノの新しい価値を創造する金継ぎの魅力に強く惹かれ、現在国内外で活動されています。

参加者の皆さんが持参された器を1点1点ナカムラさんが確認し、どのように直していくかアドバイスしながら進めていきました。いろいろな金継ぎの方法がありますが、今回は体験なので、接着剤とかぶれない新うるしを用いた方法で実施しました。


まずは割れを接着し、欠けた部分をパテで埋めます。パテが乾いたら丁寧にヤスリをかけていきます。実はこのヤスリがけがとても大事な時間。パテ部分が器に馴染むよう、1時間以上じっくりと取り組みました。その後、器の色に合わせて金属粉とうるしを混ぜたものを割れ目やパテ部分に塗り、乾いたら金属粉を散布して完成です。

参加者の皆さんは、慣れないパテやヤスリの扱いに苦戦しながらも、時間をかけて作業する過程で器に向き合い、「『織姫』という言葉が頭に浮かんだ」「器が猫の額のように見えてきた」など、それぞれの発想で完成した器に銘をつけていました。

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