長崎県美術館 メルマガ(vol.7)

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長崎県美術館 メルマガ(vol.7)
配信日時
2005/10/24 10:00
本文
(vol.7)────────────────────────────

メルマガ長崎県美術館

□───────────────────○2005/10/24(毎月1回発行)

芸術は心と呼吸する
館長 伊東順二

皆さんお元気ですか?館長の伊東です。
「レアル」展はすでに多くの方々がご覧になっている、と思いますが、
その前に行っていた「アメリカ-ホイットニー美術館コレクションに
見るアメリカの素顔」展は府中美術館で開催された後、現在は金沢21
世紀美術館に巡回しています。そこで、私も10月16日に企画者として
招聘され、記念講演をしてきました。当館の「呼吸する美術館」とい
うコンセプトについても話をしましたが、みなさん熱心に耳を傾けて
くれました。
同館が企画した「ハンス・リヒター」展もすばらしい展覧会でした。
また、教授を務めることになっている富山大学芸術文化学部の授業も
始まり、先日は200人ほどの学生に当館の、小国雅香さんによるテーマ
ミュージックのDVDを見せたところ長崎県美術館を訪ねたい、という学
生が相次いでいます。
ようやく、長崎に帰ってきましたが、直前には大阪に立ち寄り、「あた
たかい心を育む国際大会」というチャリティイベントに参加してきまし
た。この活動は漫画家の手塚治虫さん、東京女子医大の内藤寿七郎博士、
アップリカ葛西会長葛西健蔵氏が児童の健康と健全な精神育成を目的と
して、40年前に始められたもので、現在は国際的な活動となっています。
私は児童による絵画作品の審査を担当しましたが、すばらしい作品ばか
りでした。アメリカから参加されたロバート・ケネディJr.氏からもお子
さんの作品の批評を頼まれました。氏も司法長官だったお父さん、大統領
だった叔父さんのようにアメリカの環境問題のリーダー的存在です。中国
政府代表団はじめ、皆さんに「心と呼吸する美術館」のコンセプトを深く
理解していただいたことは幸せなことでした。ちなみに、葛西氏には美術
館を訪れる赤ちゃんとお母さんのために長崎県美術館仕様の特注乳母車を
5台寄贈していただきました。
最後に、入場者数40万人という目的を早々と達成させていたことに対して
皆様に深く感謝させていただきたいと思います。これからも長崎県の皆様
のあたたかいお気持ちと呼吸して、人の気持ちを豊かにする美術館に育っ
ていきたい、と思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。

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INDEX
《最新情報》
1)展覧会情報
■企画展 ○10月1日(土)- 11月13日(日)
「レアル-スペイン美術の現在」
○11月17日(木)-2006年1月5日(木)
「ベルギー象徴派展」
■常設展 ○9月27日(火)- 12月11日(日)
「富永直樹彫刻展」「松尾敏男展」
     ○2006年1月22日(日)まで
      「須磨コレクション Ⅰ」
○10月12日(水)- 12月11日(日)
「ダリ版画展」
○9月27日(火)- 11月13日(日)
「スペイン近現代美術 Ⅱ」
○11月15日(火)-2006年4月9日(日)
      「スペイン近現代美術 Ⅲ」

2)注目イベント
■企画展「レアル-スペイン美術の現在」 関連イベント
  ◎映画上映会 10/29日(土)
  ◎学芸員によるギャラリートーク 12/4(日)、18(日)、25(日)
  ◎プレゼント企画 締め切り間近!
   日通旅行 スペイン8日間(ルックワールド)
■次回企画展「ベルギー象徴派展」関連イベント
  ◎講演会 11/20(日) ,12/11(日)
◎学芸員によるギャラリートーク
  ◎ベルギーアニメ上映会 11/27(日),12/10(土),12/18(日)
  ◎関連商品のご案内
■教育プログラム 
  ◎移動美術館 東彼杵町  11月18日(金)-27日(日) 
◎第3回こどもの広場 「世界のおもちゃ グッド・トイ展」
   11月25日(金)-26日(土)

■アートミュージアム「イブニング・ライブ」
 11月13日(日)by活水女子大学
 11月27日(日)by長崎大学

3)ショップ情報 TUNIC(チュニック)商品
4)今月のピックアップ 「ベルギー象徴派展」学芸員の話(福満葉子談)
5)アートボランティア 今月のパーソナリティ
「館運営・運営補助ボランティア 江頭季里子さん」


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《最新情報》

1)展覧会情報
■企画展 10月1日(土)-11月13日(日)
「レアル-ペイン美術の現在」
ピカソ・ミロ・ダリが開いた新しい黄金世紀
  詳しくはこちら
  http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kikaku/index.html

■次回企画展 11月17日(木) - 2006年1月5日(木)
「ベルギー象徴派展」失われた楽園(アナザーワールド)を求めて
 
19世紀末ヨーロッパをひそやかに席巻した象徴派。彼らは、「目に見える
 もの」や「光」を楽観的に追い求めた印象派とは対照的に、ひたすら自分
 たちの内面や「闇」に目をこらし、幻想的な作品を生み出しました。ベル
ギーは、フランスと並んで象徴派の拠点のひとつとなった地で、本展は、
ベルギー象徴派の全貌を、およそ90点の作品で紹介するものです。夢と神
秘の「アナザー・ワールド」にあなたも誘われてみませんか。

 ◆開館時間:10:00-20:00(入館は19:30まで)*最終日は18:00まで
 ◆休館日:11月28日(月)、12月12日(月)、12月29日(木)- 1月1日(日)
 ◆観覧料:一般900円(700円)/大学生700円(500円)/中高生500円(300円)
      70歳以上700円(500円) ※小学生以下は無料
  ◎(  )内は前売りおよび20名以上の団体割引料金です。
  ◎前売券は、お近くのチケットぴあ(Pコード:686-256)、
ローソンチケット(Lコード:83090)、紀伊国屋長崎店(夢彩都内)、
浜屋プレイガイド、S東美プレイガイドの取扱店でお求めいただけます。
  ◎障害者手帳保持者及び介護者1名までは5割減額いたします。
  ◎常設展年間フリーパスをお持ちの方は、当企画展を団体割引料金で
ご覧いただけます。
  ◎当企画展の観覧券をお持ちの方は、常設展を団体割引料金でご覧いた
だけます。

■常設展 
 長崎県美術館の収蔵作品の大きな柱として、長崎ゆかりの美術とスペイン
美術があげられます。常設展示室ではこれらの作品を年数回の展示替えを
交え随時ご紹介しています
 詳しくはこちら
 http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/jousetsu/index.html


2)注目イベント
■企画展「レアル-スペイン美術の現在」 関連イベント
 
 http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kikaku/index.html
 
■次回企画展「ベルギー象徴派展」 関連イベント

 ○講演会 14:00-16:00 定員:先着120名(聴講無料)、会場:ホール
 11月20日(日) 「反復と差異-ベルギー象徴派について」
本江邦夫(多摩美術大学教授・府中市美術館館長)
   12月11日(日)「アンソールとクノップフ」
福満葉子(長崎県美術館学芸員)
   
 ○学芸員によるギャラリートーク
   12/4(日)、18(日)、25(日)15:00-15:30
会場:企画展示室、定員:先着20名程度
※聴講無料、ただし観覧券が必要
   
 ○ベルギーアニメ上映会
   時間:13:00-、16:00-(各86分上映)
会場:ホール
定員:先着120名(入場無料)
   11月27日(日)「タンタンの冒険 めざすは月/月世界旅行」
   12月10日(土) 「タンタンの冒険 ファラオの葉巻/青い蓮」
   12月18日(日)「タンタンの冒険 タンタン チベットをゆく/紅海のサメ」
    
■教育プログラム 
 ○移動美術館 東彼杵町 11月18日(金)-27日(日)会期中休館日なし
    会場:東彼杵町歴史民俗資料館
    こどもの皆様の目線で鑑賞を楽しむことができる 「鑑賞教室」や
    絵の具作りのワークショップを開催します。
  ○第3回こどもの広場 「世界のおもちゃグッド・トイ展」
11月25日(金)10:00-18:00 / 26日(土)10:00-17:00
こどもの広場 「世界のおもちゃ グッド・トイ展」
NPO法人日本グッド・トイ委員会選定のおもちゃ『グッド・
トイ』を中心に世界のおもちゃ、200点あまりが美術館に大集合
します。自然のぬくもりを大切にしたやさしいおもちゃばかり。
みて、さわって、感じて…いっぱい遊ぼう。おもちゃコンサルタ
ントからの遊びのアドバイスもあります。
    11月24日(木) 10:30 -12:30  
      関連企画 おもちゃ講演会「遊び力で子どもは育つ」
講師:多田 千尋(芸術教育研究所所長・おもちゃ美術館館長
   NPO法人日本グッド・トイ委員会理事長)

■アートミュージアム「イブニング・ライブ」
※10月から冬時間に変更になります。冬時間〔16:30-17:00、18:00-18:30〕
○11月13日(日)《第13回 活水女子大学》
    『活水秋期演奏会 in ミュージアム パート2』
   出演:活水女子大音楽学部 3年生
 ○11月27日(日)《第12回 長崎大学》


3)ショップ情報  TUNIC(チュニック)商品

ミュージアムショップでは、TUNIC(チュニック)というメーカー
の商品の取り扱いを始めました。TUNICとは、館の収蔵作家の一人で
ある鴨居羊子さんが1955年に創立した下着メーカーで、彼女はそれまで実
用的でしかなかった女性の下着の概念をくつがえし、身に着けることが楽
しく、美しいものを作り出しました。
羊子さんが作った下着や人形や映画そして絵画、羊子さんの生き方(詳し
くは自伝的エッセイ『女は下着で作られる』をご参照ください)は彼女亡
き今も、幅広い年齢層の女性たちに支持され続けています。羊子さんの思
いを受け継ぎ、今も女性を楽しませるTUNICのカラフルでかわいい形
のポーチや小物たちは、あなたの毎日を楽しく彩ってくれることでしょう!


4)今月のピックアップ 「ベルギー象徴派展」学芸員の話(福満葉子談)

ベルギーは、フランスとドイツとオランダに囲まれた位置にある国です。
面積は約3万kmで、四国の約1.5倍の大きさ。総人口は約1,026万人。
首都ブリュッセルでも96万人、という規模。
  この小さな国の位置する地域は、ヨーロッパの「交差点」と呼ばれる要所
にあたるせいで、大国同士の奪い合いの対象として翻弄され続けてきまし
た。この地域が、ベルギーという国として独立するのは、やっと1830年の
こと。ベルギーが、複数の公用語を持つ多重言語国家であること(北部の
フランダース地域ではオランダ語、南部のワロン地域ではフランス語が使
われ、首都ブリュッセルは完全なバイリンガル・エリア)は、その複雑
な歴史から来ているのです。でも、国内で石炭や鉄鉱石などが採れたこと
もあって、独立してからの発展は早かった。西洋ではイギリスに次いで二
番目に産業革命を成し遂げた国となりました。19世紀後半には、前衛的な
芸術を広く受け入れる土壌が出来あがり、そして世紀末、文化の爛熟を迎
えるわけです。ベルギー象徴派は、そんな爛熟したベルギー文化の申し子
です(「あだ花」かも?)。ベルギー象徴派の全貌をお見せするこの展覧
会では、自分の妹を「理想の女」として描き続けたクノップフとか、「仮
面と骸骨」ばかり描き続けたアンソールとか、変わり者たちが繰り広げる
妖しくも絢爛たる世界をご覧いただきます。その独特の幻想世界は、20世
紀末を経験したばかりの私たちにとって、不思議と共感できる部分を持っ
ているはずです。


5)アートボランティア 今月のパーソナリティ
  「館運営・運営補助ボランティア 江頭季里子さん」

  ボランティアとは言いながら、週末の3時間の活動で、誰かの役に立って
  いるのかどうか、正直、疑問に思うこともありますが、それでもその“週
  末の3時間”が私はやめられないのです。おもにお客様のご案内をしてい
  るその3時間、気が付くと、自然と顔がニコニコしています。普段の生活
  の中ではこれがなかなか無いことで、なんというか、気持ちがほぐれ
  る感じがするのです。癒されているのかもしれません。もちろん、ボラン
  ティアでなくとも、一人で来ても、屋上庭園や、運河沿いのベンチ、運河
  ギャラリーの柔らかい椅子にも、充分に癒されます。今なら常設展示室で、
  彫刻に触れるのが、一番のお勧めです。


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