長崎県美術館 メルマガ(vol.17)
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- 長崎県美術館 メルマガ(vol.17)
- 配信日時
- 2006/6/23 11:52
メルマガ長崎県美術館
□───────────────────○2006/6/23(毎月1回発行)
思い出をアートに
梅雨のうっとうしい日々が続いています。人気の高い美術館の屋上も閉まって
いることが多く、ご迷惑をおかけしています。
しかし、梅雨が明けると夏も本番。美術館も楽しい企画を満載して、夏に備え
ています。まず、7月23日から、初めての試みとしてAIGシビックホールと
連携して開催する「リサイクル・アート展」。スポーツを通して環境問題を考
える、という国連環境計画の提案に多くのスポーツ選手やアーチスト、企業が
協力し、難しいスポーツ用品のリサイクルをアートで成し遂げるという画期的
なプロジェクトが実現しました。私自身もボランティアで参加していますが、
アーチストや子供たちが、いとも簡単に使い古されたスポーツ用品からアート
を生み出す様は、まるで魔法のようです。
美術館では展示を催しますが、W杯で活躍している中田や稲本、小野、野球の
清原、城島、高橋由、水泳の北島など時代を代表するアスリートたちが実際に
愛用したものが、どんな作品になっているか、注目して下さい。恒例の子供た
ちとアーチストのワークショップはAIGで開かれます。私も参加しますので、
ぜひ体験してみて下さい。
次回はこの夏の長崎のメインイベント「HeArt2006Nagasaki 長崎水辺の映像祭」
と美術館の提携企画展「デジタル遊園地」のことを詳しくお伝えします。
楽しみにして下さい。
長崎県美術館
館長 伊東順二
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INDEX
《最新情報》
1)展覧会情報
■企画展
○5/20(土)-7/17(月・祝)
「没後20年 鴨居玲展 -私の話を聞いてくれ-」
○7/29(土)-9/3(日)
「デジタル遊園地-ネットワーキング・アートの未来-」
■美術館コレクション展
○5/18(木)-7/23(日)
「名誉県民富永直樹氏追悼展 」
○5/18(木)-7/23(日)
「長崎の近現代美術」
○7/25(火)-11/26(日)
「モトモトもっと?わざワーク!展-素材と技法-」
○5/17(水)-10/22(日)
「須磨コレクション1」
○5/17(水)-7/23(日)
「鴨居羊子の世界」
○7/25(火)-10/22(日)
「東松照明 1961」
○5/17(水)-10/22(日)
「スペイン近現代美術1」
■教育プログラム
○7/1(土)-8/27(日)
「Children's Eye PHOTO -写真を撮ろう- 」
●7/1(土)-7/7(金)
公開制作「Artist in Residence」
●7/15(土)-8/13(日)10:00-19:00
作品展「The Afghan Diaries(アフガン・ダイアリーズ)」
〔ワークショップ〕
●7/31(月)・8/2(水)・3(木)全3日間 11:00-15:00
「フォトピクニックこども編 -ながさき街写真-」
●A:7/29(土)・8/5(土) B:7/30(日)・8/6(日)11:00-17:00
「フォトピクニックおとな編 -ながさき撮影局-」
●7/1(土)-8/27(日)期間中 時間未定
「デジカメ・フォトリレー -撮ってつながる写真-」
●8/23(水)-8/27(日)
「フォトピクニック+フォトリレー作品展」
●8/15(火) -8/20(日)
「プリント体験 -モノクロプリントやってみよう!!-」
2)注目イベント
■企画展「没後20年 鴨居玲展 -私の話を聞いてくれ-」関連イベント
○映画上映会 7/1(土)
○学芸員によるギャラリートーク
企画展開催期間「5/20(土)-7/17(月・祝)」の
水・日曜日 14:00-14:30
■美術館コレクション展関連イベント
○学芸員によるギャラリートーク 毎週金曜日 18:00-18:30
○アートボランティアによるギャラリートーク 毎週土曜日 15:00-15:45
■アートミュージアム「イブニング・ライブ」①16:00- ②18:30-
○7/9 (日)By活水女子大学
○7/23(日)By長崎大学
■アートビジョン
○7/15(土)-9/30(土)17:00-
「横浜ダンスコレクションR 1996-2006 受賞作品上映」
3)ショップ情報
ミュージアムショップ 島崎由香談
4)今月のピックアップ「Children’s Eye PHOTO~写真を撮ろう~ 」
写真家 山頭範之 自己紹介-part2-
5) スクールプログラム
長崎県美術館を訪れて「芸術はとてもすごい」
-しまの子ども文化芸術体感事業-
平戸市立度島中学校 福島由紀夫
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《最新情報》
1)展覧会情報
■企画展
○5/20(土)-7/17(月・祝)
「没後20年 鴨居玲展 -私の話を聞いてくれ-」
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kikaku/index.html
○7/29(土)-9/3(日)
「デジタル遊園地-ネットワーキング・アートの未来-」
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=plan&id=124
■美術館コレクション展
長崎県美術館の収蔵作品の大きな柱として、長崎ゆかりの美術とスペイン
美術を3,734点所蔵しています。常設展示室ではこれらの作品を年数回の
展示替えにより随時ご紹介いたします。
○5/18(木)-7/23(日)
「名誉県民富永直樹氏追悼展 」
○7/25(火)-11/26(日)
「モトモトもっと?わざワーク!展-素材と技法-」
○5/18(木)-7/23(日)
「長崎の近現代美術」
○5/17(水)-10/22(日)
「須磨コレクション1」
○5/17(水)-7/23(日)
「鴨居羊子の世界」
○7/25(火)-10/22(日)
「東松照明 1961」
○5/17(水)-10/22(日)
「スペイン近現代美術1」
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/jousetsu/index.html
■教育プログラム
○7/1(土)-8/27(日)
「Children's Eye PHOTO -写真を撮ろう- 」
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kyouiku/photo.html
2)注目イベント
■企画展「没後20年 鴨居玲展 -私の話を聞いてくれ-」 関連イベント
○映画上映会
◎「女は下着で作られる」
(監修・監督 鴨居羊子 1958年 37分 日本ドキュメントフィルム社)
◇日時:7/1(土)①15:30~ ②17:30~(2回上映)
◇会場:ホール
◇定員:先着100名(入場無料)
○企画展「没後20年 鴨居玲展 -私の話を聞いてくれ-」
学芸員によるギャラリートーク
◇日時:会期中の水・日曜日 14:00-14:30
◇会場:企画展示室
◇料金:聴講無料、但し観覧券が必要です
○美術館コレクション展 学芸員によるギャラリートーク
◇日時:毎週金曜日 18:00-18:30
◇会場:常設展示室
◇料金:同じ
○美術館コレクション展 アートボランティアによるギャラリートーク
◇日時:毎週土曜日 15:00-15:45
◇会場:常設展示室
◇料金:同じ
■アートミュージアム「イブニング・ライブ」
○7/9 (日)By活水女子大学 ①16:00-16:30 ②18:30-19:00
『初夏から盛夏へ~活水女子大学音楽学部 音楽制作コース作品展』
活水女子大学音楽学部 応用音楽学科音楽制作コースは、
「ノンジャンル&デジタル」をモットーに、音楽の基礎を修めつつも、
新しいメディアと語法、イディオムを模索する注目のコースです。
例年5月に行っている『初夏の風』を経て、7月のここミュージアムで
さらにヒートアップする、「今」を生きる女子大生ならではの
ナイーブな感性を、どうぞお聞きください。
○7/23(日)By長崎大学 ①16:00-16:30 ②18:30-19:00
■アートビジョン
○7/15(土)-9/30(土) 17:00-
「横浜ダンスコレクションR 1996-2006 受賞作品上映」
1996年から始まった横浜ダンスコレクションは、バニョレ国際振付賞の
ヨコハマプラットフォームを核として始動。
新進芸術家の発掘・発信を目指して開催され、この間38組以上の新進
振付家が世界で306公演を実現しました。
長崎県美術館では、1996年から2006年までに受賞した受賞作品を
1週間ごとに公開します。10年前の伊藤キムをはじめ現在日本や世界中で
活躍中の振付家によるコンテンポラリーダンスを見ることができる
貴重な機会です。
【上映スケジュール】
①7/15(土)-21(金)17:00-18:43 全103分
1996年、1998年受賞作品 伊藤キム他
②7/22(土)-7/28(金)17:00-19:23 全143分
1999年、2000年受賞作品 伊藤千枝 他
③7/29(土)-8/4(金)17:00-19:19 全139分
2001年受賞作品 岩淵多喜子 他
※スケジュールは変更になる場合がありますので、予めご了承下さい。
3)ショップ情報 ミュージアムショップ 島崎由香談
プラドチョコレート
スペイン国立プラド美術館のオリジナルチョコレートを初めて入荷しました。
カカオ70%のビターチョコレートで、香り高いカカオの味わいを深めた
すっきりとした口どけのスクエアータイプ9P入りと、砕いたナッツが
入ったコク深い味わいに仕上げたバータイプの2種類。
パッケージは、スクエアータイプがゴヤの作品8種類が描かれ、
バータイプにはベラスケスのラスメニーナスが描かれており、
日本ではここでしか手に入りませんので、お土産や来館記念にも最適です。
4)今月のピックアップ「Children’s Eye PHOTO~写真を撮ろう~ 」
写真家 山頭範之 自己紹介-part2-
山頭です。
現在、仕事でイタリアに入り、ローマの安宿でこの文章を書いています。
さて、旅の続きです。前回、お話したように中国の上海からスタートし、
まず、雲南省、それから、どんどん南下して、陸路でベトナムへ。
続いてタイ、ネパール、チベット、新疆ウイグル自治区、そして
クンジュラブ峠を越え、最後はパキスタンへ。
写真は、ベトナムに入る頃には、今と変わらない感じで
バシバシ撮っていました。フィルムはすぐに足りなくなり、その度に
買い足していきます。その辺りの写真屋さんで現像もします。
同時プリントをみて、「下手クソだ。」とか、「俺って天才?」などと、
一人で興奮していました。写真やカメラの仕組みについては、まったく
知らず、出発して4ヶ月目に入った頃、フィルムの感度設定を間違えた
まま撮っていたことに気が付きました。ISO400のフィルムを使っている
のにカメラは100の設定のままでした。さすがに、これじゃイカンと
思って、即、勉強。まずは、「絞り」と「シャッタースピード」って何?
ってことで、数値の変化を方眼紙に落としてみると、きれいな指数関数の
曲線が現れます。すると一目瞭然、何だ、簡単!そんな調子で色による反
射率の違いや、絞りの変化によるボケ方の違いをテスト。
ハイ、これで自分の意思を正確にカメラ、フィルムに伝えることができる
ようになりました。なんと簡単なことでしょう。あとはひたすら撮る、
フィルムを浪費する、スポーツの反復練習と同じです。
表現として考えると、写真のミソはこの簡単さです。
自分の世界観やストーリーを創ることだけに集中できるということ。
必要なのは、被写体を見つけて-それが物、自然、人、他のなんであろう
とも、その被写体と対話する- それだけです。
美術館でみていただくことになる写真展
「The Afghan Diaries(アフガン・ダイアリーズ)」は、
この旅の最終地点であるアフガニスタン人の難民キャンプ(パキスタン)
から始まります。繰り返し訪れることになる彼らとの出会い。
僕に、故郷の歌を聞かせてくれたおじさんは、現在、カブールにいて家族
みんなで暮らしています。小さかった子どもは青年となり、僕の通訳を自
らかって出てくれるまでになりました。
旅と写真、世界のどこかで出会った人々が僕を成長させてくれているの
だ、と感じています。
「The Afghan Diaries」それはアフガンの人々と僕の物語です。
ご期待ください。
注:ISO=フィルムが光にどれだけ感じやすいかを示す数値。
数が大きくなればなるほど光に感じやすく、
暗い場所でも撮影できることを意味する。数が倍になれば、
光に対して2倍(絞りやシャッタースピードで一段分)感じやすい。
たいてい、フィルムの名称になっている数値であるが、正確には
ISO(国際標準機構)感度として記載されている。
ISO100を中庸感度とし、これより低い感度(ISO 50など)を
「低感度フィルム」、高い感度(ISO400など)を「高感度フィルム」、
さらに高いもの(ISO 3200など)を「超高感度フィルム」などと
言う。一般に感度は高ければ高いほど、画質は粗くなる。
5)スクールプログラム
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長崎県美術館では、「まなぶ・つくる・深める」の基本理念のもと、
幼児から児童・生徒さんまで楽しく学べる「スクールプログラム」を
ご用意しています。このプログラムは図工・美術の時間、総合的な学習の
時間、学校行事、修学旅行、部活動などで広くご利用いただいています。
また、学校と美術館が連携し、共同でプログラムを組み立てていくことで、
実態に即したより充実した活動を目指しています。
5月31日スクールプログラムで来館した平戸市立度島中学校の先生に
感想をお聞きしました。
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長崎県美術館を訪れて 「芸術はとてもすごい」
-しまの子ども文化芸術体感事業-
平戸市立度島中学校 福島由紀夫
入口から一歩進むと、視界いっぱいに広がる美しい空間が迎えてくれる。
「ウワァー、す・すごいなぁー」口々にもれる静かな驚きの声・・・。
彼らの感性が日常を離れて、異空間へと誘われる一瞬の緊張が感じ取れる。
そう・・・これが美術館なのだ。
美術教師がどれだけ言葉を重ねようとも伝えきれない、美の真髄がここに
はあるのだ。名誉県民富永直樹氏追悼展では中心に設置された金色の
「ブロンズ像」に駆け寄っていく。圧倒的な質量で語りかける彫刻の
醍醐味は、彼らに存在感の意味を教えてくれる。
スペイン絵画のクラシックとモダンアートからは、感性とはなにかという
ことを感じ取ってくれただろうか?順路の最後は鴨居玲展、画家が彼らに
投げかけた感動の大きさが、強く心を揺さぶられた様子から伺える。
私は、これを体感させたかったのだ。美しい非日常空間に身をおく喜び!
子ども達にはどうか、生涯を通じて、芸術を身近で素敵なものとして
感じて欲しい。そのことが、彼らを豊かにすると信じているからだ。
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《長崎県美術館メールマガジン》
配信中止・配信先変更は、以下のホームページからアクセスできます。
http://www.nagasaki-museum.jp/
長崎県美術館────────────────────────────