長崎県美術館メルマガ(vol.156)

件名
長崎県美術館メルマガ(vol.156)
配信日時
2017/5/31 16:38
本文
(vol.156)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

メルマガ長崎県美術館

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○2017/5/31
INDEX

1)館長コラム

2)展覧会情報
 ・愛の軌跡 マリー・ローランサン展
・没後20年 特別展 星野道夫の旅
 ・高畑・宮崎アニメの秘密がわかる。スタジオジブリ・レイアウト展

3)ワークショップ
  Weekend at the museum ウィークエンドミュージアム
  第1回「紙の額縁をつくろう」

4)イベント情報
 ・イブニングライブ

5)ミュージアムショップ
 ・雨の日が楽しくなる傘


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1)館長コラム
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「絵の力を考える」  館長 米田 耕司
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先週の5月25-26日に鎌倉で開催された全国美術館会議(全美)の
理事会・総会に出席してきました。総会初日の講演会は大変興味深い
ものでした。講師は佐伯胖氏(田園調布学園大学大学院教授)で、
テーマは「アンラーニング(Unlearning)としての美術」でした。
一番興味を魅かれたのは「人は教えられるとき、自ら考えるスイッチを
切る。」というところでした。「教わる」ということは、「考えない」
というスイッチが入ります。自ら「何?=what」や「何故?=why」を
問わなくてもよいのです。whatやwhyは誰か偉い人が考え、その正解を
見つけてくれたのだから、私たちは、その正解だけを知ればよい。
子どもは「教える人」の「暗黙の要求」に必死で答えようとします。
つまり、「教える人」の意図を先取りしようとします。
「何をやってほしいのか」「どうなってほしいのか」が言われなくても
わかります。それが、教師の指導力が高く、統制のとれた良い教室と
されていました。
講演会の冒頭に映像が流れました。チンパンジーの檻の前に飴の入った
木箱を置き、木の枝でトントンと叩き、ストッパーの棒を押して外し、
木の枝でトンと叩くと、中から飴が出てくる仕掛けになっていました。
チンパンジーは初め見た通りの手順で飴を取り出していましたが、
木の枝で叩くことには意味がないと分かると叩かないで取り出す
ようになりました。一方、ヒトの子どもは、何ヵ月経っても、
木の枝で叩いてから飴を取り出すことを止めませんでした。
「アンラーニング」とは「まなびほぐし=学校知からの解放」の
ことです。人類の「思考」(考えること)の歴史は、「絵」で考える
ことから始まりました。アルタミラ洞窟の壁画(約1万8500年頃)や
「ラスコー展」(2016年。国立科学博物館)で展示された
3万2000年前の壁画には、野生の牛、馬、サイ、ライオン、
フクロウ、ハイエナ、ヒョウなど260点の動物を含む総数300点以上が
描かれていました。しかも、野生の牛は遠近法を用いて描かれて
いました。人類が「文字」らしいものを使い始めるのは、
紀元前3000年頃です。つまり、人類は、とても長い間「絵」を描き、
「絵」で何かを伝えてきました。子どもは絵で考えます。
「美術」とは教科のひとつではありません。はじめから、
図で考える算数など絵を取り入れた教科を増やしていく必要があります。
人類が「思考」という営みを始めた太古の時代に立ち返り、
世界の意味を、改めてその原点から作り直す時です。「教育再生」は
美術教育から。脱・学校知の教育を!と言うものでした。
最後に、以前、メルマガ67号(2010年3月26日)に「夕陽を見つめる
チンパンジー」について書きました。関連するので再読を希望します。


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2)展覧会情報
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■企画展示室
愛の軌跡 マリー・ローランサン展
いよいよ6月18日(日)まで
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グレーとパステルカラーの組み合わせで、夢見るような少女や憂いを
帯びた女性像を描いたフランスの女性画家、マリー・ローランサン
(1883-1956)。本展は、世界有数のコレクションで知られる
マリー・ローランサン美術館の優品約100点によって、
初期から晩年までの画業をたどります。

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/586

【関連企画ピックアップ】
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学芸員によるギャラリートーク
6月10日(土)14:30-
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会場|企画展示室
参加料|無料(要本展観覧券)


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■企画展示室
没後20年 特別展 星野道夫の旅
7月12日(水)-8月2日(水)
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1978年以後、18年間にわたりアラスカの大自然や人々の営みを写真に
収め続けた星野道夫(1952-1996)。本展では、約250点の写真や愛用品、
映像資料により、偉大な写真家の仕事を紹介します。
※前売券は6月12日(月)より販売開始!

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/736

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■企画展示室
高畑・宮崎アニメの秘密がわかる。スタジオジブリ・レイアウト展
7月15日(土)-9月3日(日)
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レイアウトは、背景とキャラクターの位置関係、動きの指示、
カメラワークなど、そのカットで表現されるすべてが描かれた設計図。
本展では「風の谷のナウシカ」から「思い出のマーニー」まで、
宮崎駿監督直筆のレイアウトを中心に、高畑勲、宮崎駿両監督が
ジブリ以前に手がけた作品も加えた全33タイトルのレイアウト
約1,300点を一挙に公開します。
※前売券好評販売中!

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/608

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3)ワークショップ
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Weekend at the museum ウィークエンドミュージアム
第1回「紙の額縁をつくろう」
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月に一度、週末にワークショップを開催する新企画が始まります。
第1回目は、ペーパーナプキンとダンボールを使ってオリジナルの
額縁をつくります。

日時|6月17日(土)17:00-19:30、
   6月18日(日)10:30-12:30、13:30-16:00
会場|アトリエ
対象|幼児から一般(小学生以下は保護者同伴)
参加費|1個 100円
制作時間|30-60分程度(目安)
※当日随時受付(最終受付は、各回終了30分前)

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?id=3510&command=education


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4)イベント情報
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イブニングライブ
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日曜日の夕方から夜にかけて活水女子大学音楽学部と
長崎大学教育学部の音楽家のみなさんが素敵な音楽を奏でます。

※入場無料
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○イブニングライブ by活水女子大学
6月11日(日)(1)16:30-17:00 (2)18:30-19:00
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?id=3450&command=lecture
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○イブニングライブ by長崎大学 
6月25日(日)(1)16:30-17:00 (2)18:30-19:00
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?id=3451&command=lecture
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5)ミュージアムショップ
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雨の日が楽しくなる傘
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「MoMAスカイアンブレラ」は、傘を開くと内側に広がる青空と
真っ白な雲が雨の気分を明るく晴らし、ゴッホの《星月夜》が
描かれた「MoMAスターリーナイトアンブレラ」は、いつでも満天の
星空が楽しめます。

¥6,800+税

https://twitter.com/nagasaki_m_shop/status/869793133956956160

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《お問合せ》長崎県美術館 長崎市出島町2-1 tel095-833-2110
【開館時間】10:00-20:00
【休館日】第2・第4月曜(祝日の場合は翌火曜)

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http://www.nagasaki-museum.jp/

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