長崎県美術館メルマガ(vol.166)
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- 長崎県美術館メルマガ(vol.166)
- 配信日時
- 2018/2/28 17:43
メルマガ長崎県美術館
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○2018/2/28
INDEX
1) 館長コラム
2)展覧会情報
・長崎県名誉県民 松尾敏男展
・長崎の美術6 田川憲
・菊畑茂久馬-海
・八代亜紀 アートの世界
・平成30年度企画展情報
3)連続レクチャー:コレクション・イン・フォーカス
・第8回「ゴヤ-『戦争の惨禍』におけるイメージの生成と変容」
4)ワークショップ
・memeミームとつくる雛まつり
・ウィークエンドミュージアム
<第9回>カラフル色紙でつくるへんてこ生き物
・ワークショップ「大江戸ぬりえであそぼう」
5)イベント情報
・イブニングライブ
6)ミュージアムショップ
・and. basicフェア開催中
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1)館長コラム
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「松尾敏男先生と映画」 館長 米田 耕司
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松尾敏男先生が生前最後の回顧展として準備していた現在開催中の
「長崎県名誉県民 松尾敏男展」も残すところわずか、3月11日までと
なりました。若い頃から映画評論家になりたかったというほどの
映画通だった松尾敏男先生の愛した映画「舞踏会の手帖」の上映会を、
2月4日と2月24日の2回開催しました。「私の作品の中で最も
ヨーロッパ映画の影響を感じさせるのは平成十三年の
《わが追想のコモ湖》(註:当館蔵)でしょう。子どもの頃から好きな
フランス映画『舞踏会の手帖』(一九三七年公開)では、最後に噴水が
登場します。二十年前に舞踏会で踊った初恋の男性を訪ね歩いていた
主人公が、その男性と瓜二つの青年を美しい庭の噴水のそばに見つける。
青年は『父のお友達ですか』という。十三歳のとき、この映画を見て
夢中になった私は、中学を卒業するまでの間に名画座を訪ね歩いて
四十回以上見ていました。台詞はもちろん、カメラワークのほとんどを
記憶していて、自分でシナリオを再現したくらいです。」(松尾敏男著
『玄皎想』134頁)この時の映画音楽の「灰色のワルツ」は
美輪明宏さんも絶賛です。
この噴水を見つけるためイタリア・ミラノの北にあるコモ湖に都合4回、
8年の歳月をかけて探し出しました。松尾先生の映画好きについては
2016(平成28)年9月7日に東京台東区谷中の日本美術院で開催された
「松尾敏男先生お別れ会」の折に東京府立六中(現・都立新宿高校)の
同級生の百目鬼清さん(発起人の一人)とお話をする機会がありました。
体操の名手で、東京市の大会の器械体操で優勝した話や、5年生の
1942(昭和17)年6月22日に皇族の東久邇宮盛厚殿下の前で模範演技の
大車輪を演技した話を伺いました。映画についても「松尾君は学校の
休みには朝から映画館に行き、その日の上映終了まで見て、何度も
映画館に通ったので、英語とフランス語は映画館でマスターした」と
言われました。映画通は筋金入りだったのです。
毎年8月9日の長崎原爆の日に当館で開催している「平和の祈りトーク&
コンサート」に毎回来られて、平和のメッセージと映画の話を皆さんに
語り掛けられていました。1970(昭和45)年公開の映画「ひまわり」は、
イタリア・フランス・ソ連(当時)の合作映画、マルチェロ・マストロヤンニと
ソフィア・ローレンが主演、ヴィットリオ・デ・シーカ監督、
ヘンリー・マッシーニが映画音楽を担当し、コンサートでは「ひまわり」を
演奏しました。チャプリンの映画「街の灯」(1931(昭和6)年・
アメリカ映画)は、監督・脚本、制作・主演がチャプリン。音楽が
アルフレッド・ニューマンとチャプリン。サイレント映画だが、
トーキー反対論者のチャプリンが、伴奏音楽と音響の入った音楽付きの
サウンド版として公開しました。内容は、盲目の花売り娘と浮浪者と
富豪らによる物語。娘の眼を治すべくペーソス豊かな映画で、チャプリンの
傑作です。松尾先生の映画解説の後、映画音楽「街の灯 City Light」より
「花売り娘」-「フィナーレ」を演奏しました。映画の話をするときは
スクリ-ンを見ながら話しているかのようでした。
映画の山田監督と松尾先生は、ともに2012(平成24)年度文化勲章
の受賞者です。日本橋三越本店で第70回春の院展が開催中の
2015(平成27)年4月1日、同デパートにある「三越劇場」で
松尾先生と山田洋次監督の特別対談「日本画と日本映画の今後の展望」が
ありました。その年の8月9日に平和祈念式典の後に山田監督と
吉永小百合さんが当館に来られました。その時、山田監督に
三越の対談の話をしましたところ「松尾先生は本当に映画に詳しい」と
言われました。松尾先生はサイレント映画の時代から見ていて、山田監督は
トーキーからです。「サイレント映画のフィルムは残ってはいるが、
音声が残っていない。サイレント映画は観た人だけのものだ」と話された。
松尾夫人に後に伺ったところ、山田監督は松尾先生の横浜のお宅に3度ほど
訪問して映画談議に花が咲いたそうです。先述の著作『玄皎想』に、
山田監督が「追悼 映画をこよなく愛した松尾敏男さん」を寄稿し、
映画と松尾先生について、その記憶力と識見に驚嘆し「映画をこよなく
愛した松尾さん、あなたからもっと学びたかった。」と書いています。
当館の上映会で『舞踏会の手帖』を二度鑑賞しましたが松尾先生と
ご一緒に観ているようでした。
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2)展覧会情報
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■企画展示室
長崎県名誉県民 松尾敏男展
いよいよ3月11日(日)まで!
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長崎出身の日本画家・松尾敏男(1926-2016)の没後初の回顧展を開催中です。
本展は院展初出品(落選)となった20歳の時の作品から、実質上の
絶筆である《玄皎想》に至るまで、長きにわたる松尾芸術の粋を約60点の
作品によって紹介するものです。なお本展は松尾が生前、自らの最後の
展覧会と位置付けていたもので、すでに自身によってリストアップ
されていた作品を中心に構成されています。
また、松尾敏男がデザインした横綱・白鵬と元大関・栃東の化粧まわしを
特別展示しています。
詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/745
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■常設展示室第1・2室
長崎の美術6 田川憲
1月27日(土)-4月8日(日)
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田川憲(1906-67)は、長崎における創作版画のパイオニア。
異国情緒を湛えた長崎風景を題材に、数多くの木版画を残しました。
没後50年を経て開催する本展では、田川の仕事の全貌に迫ります。
詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/permanent/archives/335
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■常設展示室第4室
菊畑茂久馬-海
2月14日(水)-4月8日(日)
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「海」をキーワードに、戦後日本を代表する作家・菊畑茂久馬(1935年
長崎市生まれ)の油彩画、ドローイングを紹介します。
*3月26日(月)は展示替え作業のため休室します。
詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/permanent/archives/353
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■県民ギャラリー
八代亜紀 アートの世界
3月5日(月)-4月4日(水)
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「雨の慕情」「舟歌」などのヒット曲で知られる歌手八代亜紀は、
画家として1998年フランスの公募展「ル・サロン展」に初入選し、
その後連続入選して現在は永久会員として認められています。
本展にはル・サロン入選作の「想い出」を始め、9頭の白馬を描いた
「疾風」などの油絵や絵本の原画など約100点を展示します。
只今、前売券も好評販売中!
詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/749
【関連企画ピックアップ】
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八代亜紀サイン会
3月5日(月)11:00-
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会場|エントランスロビー
定員|先着50名
※サイン会の参加には本展の観覧券と整理券が必要です。
※整理券は本展特設ショップで絵本「みんな、こどもだった」を
当日ご購入の方に配布します。
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■平成30年度企画展情報
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大江戸展
3月24日(土)-5月27日(日)
東京富士美術館(東京)の所蔵品による、長崎だけの特別展。
同館の誇るコレクションの中から、屏風、掛軸、浮世絵、工芸品など
選りすぐりの名品約110点を前期70点、後期80点に分けて展示し、
力あふれる江戸美術の世界をご紹介します。本物だけが持つ迫力を
ご堪能ください。
只今、前売券好評発売中!
詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/929
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戦没画学生慰霊美術館 「無言館」所蔵作品展(仮)
6月3日(日)-7月8日(日)
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魔法の美術館:リミックス
7月21日(土)-9月2日(日)
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日中平和友好条約締結40周年記念展(仮)
10月5日(金)-10月21日(日)
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明和電機 ナンセンスマシーン展
10月6日(土)-11月11日(日)
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クアトロ・ラガッツィ 桃山の夢とまぼろし-
杉本博司と天正少年使節が見たヨーロッパ
11月23日(金・祝)-2019年1月27日(日)
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青木野枝展(仮)
2019年2月9日(土)-3月24日(日)
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3)連続レクチャー:コレクション・イン・フォーカス
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第8回「ゴヤ-『戦争の惨禍』におけるイメージの生成と変容」
3月4日(日)11:00-(約45分)
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ゴヤの銅版画集『戦争の惨禍』におけるイメージの源泉を探りつつ、
彼が当作に込めたねらいを考察していきます。
講師|稲葉 友汰
会場|講座室
定員|40名
◎聴講無料、当日受付
スケジュールの詳細はこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/news/archives/33
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4)ワークショップ
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memeミームとつくる雛まつり
3月3日(土)・4日(日)
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女の子も男の子も、みんな集合! 楽しいフロシキ雛まつり!
今年の雛まつりは、絵と布にまつわるプロジェクトを展開する
3人組のユニット「meme(ミーム)」を長崎県美術館に招き、
オリジナルのフロシキをつくるワークショップや、ミニミニ展示、
トークイベントを開催します。楽しい雛まつりをみんなで
一緒にすごしましょう。
詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/event/archives/1376
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ウィークエンドミュージアム
<第9回>カラフル色紙でつくるへんてこ生き物
3月24日(土)17:00-19:30
3月25日(日)10:30-12:30、13:30-16:00
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月に一度、週末にワークショップを開催する企画「ウィークエンド
ミュージアム」。第9回は、カラフルな色紙とハトメを使って、どこにも
いないへんてこな生き物をつくりましょう。
会場|アトリエ
対象|子どもから大人まで(小学生以下は保護者同伴)
参加費|ひとり100円
制作時間|30-60分程度(目安)
※当日随時受付(最終受付は、各回終了30分前)
詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?id=3623&command=education
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ワークショップ「大江戸ぬりえであそぼう」
3月31日(土)、4月1日(日)10:30-12:30、13:30-16:00
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大江戸展に展示されている、みんな見たことのある作品がぬりえになって登場!
ハガキサイズなので、色をぬった後で郵送することもできます。
会場|アトリエ
対象|子どもから大人まで(小学生以下は保護者同伴)
参加費|無料
制作時間|20分
※当日随時受付(最終受付は、各回終了30分前)
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5)イベント情報
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イブニングライブ
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日曜日の夕方から夜にかけて活水女子大学音楽学部と
長崎大学教育学部の音楽家のみなさんが素敵な音楽を奏でます。
※入場無料
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○イブニングライブby活水女子大学
3月18日(日)(1)16:00-16:30 (2)18:00-18:30
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?id=3578&command=lecture
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6)ミュージアムショップ
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and. basicフェア開催中 3月31日(土)まで
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昨年好評だったフェアを今年も開催します。稲佐山、めがね橋、ランタン
オブジェなどポップな色彩と独特なラインが魅力的なカードケース、
コースター、ポストカードの人気アイテムのほかに、新作でランタン
をモチーフにしたポーチ(S・M)、ちびトート、ハンカチなど布小物
も入荷しています。
詳しくはこちら↓
https://twitter.com/nagasaki_m_shop/status/964785701731487744
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《お問合せ》長崎県美術館 長崎市出島町2-1 tel095-833-2110
【開館時間】10:00-20:00
【休館日】第2・第4月曜(祝日の場合は翌火曜)
※3月26日(月)は臨時開館
《長崎県美術館メールマガジン》
配信中止・配信先変更は、以下のホームページからアクセスできます。
http://www.nagasaki-museum.jp/
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