長崎県美術館 メルマガ(vol.32)

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長崎県美術館 メルマガ(vol.32)
配信日時
2007/8/27 11:00
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(vol.32)────────────────────────── メルマガ長崎県美術館 □───────────────────○2007/8/27(毎月1回発行) 「歴史的な猛暑とジョー・オダネルさん」  残暑お見舞い申し上げます。今年の連続した猛暑日には驚きました。8月 の盆過ぎに最高気温の記録を更新した日に、幼馴染の友人が、熱中症で倒れ ました。幸い点滴などの適切な処置のお陰でなんとか快方に向かいましたが、 冷房の効いた自宅で、突然に手足が痙攣したそうです。同年齢の友人の入院 は他人事ではなく、かなり身近に自分自身が倒れていても不思議ではないと 実感しました。  前回企画展「ロバート・キャパ」のことにふれましたが、この展覧会の話 題になっている写真に特別出品「被爆した幼子を背負う長崎の少年-1945年」 があります。原爆投下直後に、アメリカ軍の報道写真家ジョー・オダネルさ ん(85歳)が撮影した一枚の写真が会場終盤の特設コーナーにあります。 この写真についてオダネルさんが書いています。「はだしの少年は焼き場の ふちに5分か10分か立っていたでしょう。男たちが近づきゆっくり、おん ぶひもを解き始めました。幼い肉体が炎に溶けるジューという音がしました。 真っ赤な炎が直立不動の少年を照らします。その時です、食い入るように見 つめる少年の唇に血がにじんでいるのに気がついたのは。少年があまりきつ く噛みしめているため血は流れることなく、下唇に赤くにじんでいました。 夕日のような炎が静まると少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま去って いきました。」  私は会場を毎日巡視していましたが、この写真の前で涙する人を何人も見 かけました。長崎初公開のこの写真の少年と撮影地点は今も不明です。オダ ネルさんはこの写真など7ヶ月の撮影を終えて帰国した後、その惨状や深い 悲しみを忘れようと全てのネガフィルムを皮製のトランクに納め、蓋をして 施錠しました。しかし、1989年反核運動に共感し長い封印を解き、翌1990年 からアメリカや日本各地で公開されました。公開されるや複数の教科書に掲 載されるなど大反響を巻き起こしました。  同時に会期中の8月4日から15日までの期間限定でこれも初公開した、 オダネルさんの「長崎グラウンド・ゼロ 1945年」(123×436cm)のセピア 色に変色したオリジナルプリントの大画面による迫真力は、長崎原爆の爆心 地一帯の惨状の凄まじさを改めて教えてくれました。  キャパ展開催中の8月9日(日本時間10日)、この展覧会の開催を見届け るかのようにアメリカ・テネシー州ナッシュビルの入院先の病院でジョー・ オダネルさんが85歳で逝去されたとの報が届きました。彼の写真が多くの 人びとの心に焼き付いている限りオダネルさんは生きていると思います。 熱中症もそうでしたが、この戦争の惨禍が他人事ではなく自分自身に起きて いたらと想うと戦争と平和、そして子ども達の未来に想いを馳せるのです。 長崎県美術館 館長 米田耕司 □────────────────────────────────○ 《最新情報》 1)展覧会情報 ■企画展  ○7/13(金)-9/2(日) 『CAPA's WORLD ロバート・キャパ -その生涯と作品-』展 スペイン市民戦争取材中に撮影した伝説的な写真《崩れ落ちる兵士》により、 一躍世界的写真家となったロバート・キャパ(1913-1954)。 死後50年以上 を経た現在においても、その名声はますます高まっています。本展では、東 京富士美術館のコレクションから、スペイン市民戦争をめぐる作品群を中心 に、青年期からインドシナ戦線取材中に亡くなる直前に写された最後の作品 に至るまで、キャパの活動の全てをご紹介します。 http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kikaku/index.html ○10/5(金)-11/25(日) 『「美術館に行こう!」ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方』展 世界中で愛されている「ミッフィー」の生みの親、ブルーナ。シンプルで温 かみのある彼のデザインは、さまざまな近現代美術にふれた経験から生まれ たものです。本展では、モダン・アートを見たときの驚きや喜びが表現され た絵本「ミッフィーのたのしいびじゅつかん」をガイドとして、当館の所蔵 作品をわかりやすく紹介するとともに、ブルーナ自身のデザインの足跡をた どります。 http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=plan&id=251 ------------------------------------------------------------------- ■美術館コレクション展 長崎県美術館は、主に長崎ゆかりの美術とスペイン美術を収集しています。 常設展示室ではこれらの作品を年数回の展示替えにより随時ご紹介いたします。 ○8/22(水)-11/25(日) 「長崎コレクション2 十八銀行コレクション」 ○8/28(火)-12/9(日) 「須磨コレクション2」 ○7/10(火)-9/24(月・祝) 山端庸介「ナガサキ・ジャーニー」 ○8/28(火)-11/25(日) 「スペイン近現代美術2」 ○8/28(火)-10/28(日) 「ながさき音楽祭2007」開催記念 山本森之助特別展示 http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/jousetsu/index.html 《展示替え》 ○9/26(水)-12/9(日) 「フランシスコ・デ・ゴヤ『戦争の惨禍』①」 http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=standing&id=308 ------------------------------------------------------------------- ■教育プログラム ○こどもの広場「WOOD WORKS 遊木」展  ◇日時:8/1(水)-31(金)10:00-17:00  ◇会場:アトリエ・アトリエ前庭  ※入場無料 ○同時開催「こどもの椅子」展  ◇日時:8/1(水)-31(金)  ◇会場:エントランス-アトリエ前回廊  ※入場無料 http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kyouiku/index.html ○9/29(土)-10/8(月・祝) 『長崎県美術館名品展 移動美術館 art moving in 南島原市』 シャガールをはじめ、本県出身の山本森之助や渡辺(宮崎)与平の名画、本 県の名誉県民である北村西望、富永直樹の彫刻等を展示します。期間中には、 鑑賞教室、ワークショップを開催するとともに、こどもの広場で大人気だっ た「木のプール」も登場します。 http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=mobile&id=328 ------------------------------------------------------------------- ■県民ギャラリー ○9/15(土)-9/29(土) 『第52回長崎県美術展覧会公募展』 http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=rental&id=265 ================================== 2)注目イベント ■「CAPA's WORLD ロバート・キャパ -その生涯と作品-」展 関連企画 ○ギャラリートーク  ◇日時:毎週日曜日 ①11:00- ②14:00-  ◇会場:企画展示室  ◇料金:観覧券が必要です。 ------------------------------------------------------------------- ■美術館コレクション展 関連企画 ○学芸員によるギャラリートーク  ◇日時:毎週日曜日 15:00-15:45  ◇会場:常設展示室  ◇料金:観覧券が必要です。  ○アートボランティアによるギャラリートーク  ◇日時:毎週土曜日 ①13:30-14:15 ②15:00-15:45  ◇会場:常設展示室  ◇料金:観覧券が必要です。 ------------------------------------------------------------------- ■特別講演会 ○『ピカソとスペイン美術 -情熱の行方』 日本を代表するスペイン美術史研究者、大髙保二郎氏による講演会を開催。 20世紀美術の巨匠ピカソを語りながらスペイン美術史をわかりやすくたどります。  ◇日時:9/23(日)15:00-17:00  ◇会場:ホール  ◇講師:大髙保二郎(早稲田大学教授)  ◇定員:先着100名、聴講無料 ------------------------------------------------------------------- ■イブニング・ライブ 毎月第2・4日曜日の夕方から夜にかけて活水女子大学音楽学部と長崎大学 教育学部の音楽家のみなさんが素敵な音楽を奏でます。 『美術』と『音楽』の融合…あなたの日曜の夕方~夜の過ごし方に加えて みませんか? ○9/9(日)By活水女子大学 ①16:00- ②18:30- http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=472 ○9/23(日)By長崎大学 ①16:00- ②18:30- http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=477 ------------------------------------------------------------------- ■ながさき音楽祭2007「美術館室内楽コンサート」 県内外のアーティストが入れ替わりながら送る3夜シリーズ。 料金:一般2000円/高校生以下1000円(チケット発売中)  第一夜 10/13(土) http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=563  第二夜 10/21(日)  http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=564  第三夜 10/23(火)  http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=565 ○無料ロビーコンサート  新演奏家協会ファンタジーコンサート 10/12(金)  http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=561  ジュニアオーケストラながさきコンサート 10/27(土)  http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=562 ------------------------------------------------------------------- ■映画上映会&ライブ ○映画上映会「もんしぇん」  9/24(月・祝)①13:20- ②15:20-  熊本の天草の海を舞台に、“いのちのつながり”をテーマとしたファンタジー映画。  http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=571 ○Psalmライブ  9/24(月・祝)17:15-  声の玉井夕海(「もんしぇん」主演・脚本・音楽)と25絃箏・声のかりんによるライブ。  http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=573 ================================== 3)今月のピックアップ 「WOOD WORKS 遊木」展について 佐賀大学 木材工芸研究室代表  後藤 由希子  私たちは作品を制作する際に素材を生かすこと、見る人が楽しめるデザイ ンにすることを目指しています。そのために試行錯誤を繰り返しながら一つ の作品を長い時間をかけて作り上げていきます。今回、会場にある多数の作 品もすべて私たち研究室生や卒業、修了生などが加賀谷准教授に指導を受け ながら制作したものです。  そして、今回の「WOOD WORKS 遊木」展では、初めて天井から作品をつり 下げるということに挑戦しています。作品はマンタで、海をふわふわと遊泳 している雰囲気を出すために木ではなく布と紙を素材に使用しています。 会場に入るとまるで海の中の世界であるかのように、大きな親子のマンタが 天井いっぱいにひれをはばたかせています。この他にもおおきなたこやかめ、 かわいいペンギンなどが海の世界を彩っていますので皆さんアトリエにぜひ 足を運んで海の世界と夏の活気ある陸の世界を楽しんで下さい。 ================================== 4)ショップ情報               ミュージアムショップチーフ 林田美奈子談  ミュージアムショップでは、女性に大人気のマリーニモンティーニグッズ の新作が入荷しました。ぬいぐるみストラップ(¥399)はケイト、サミー、ジ ンジャーと3種類あり、全て表情がかわいく、3つとも自分の携帯に付けた くなるほどです。ミニバッグ(¥997)は雑貨屋さん、ピクニック、アルファベ ット、格子と人気の柄が4種類、サイズはタテ25cm×ヨコ20cm×マチ4cmと こぶりなので、財布と携帯を入れてランチ休憩に出掛けてはいかがでしょう。 OLさんにお勧めです。  リサイクルウッドで作られたガラクトーイ、再登場です。今回は針金が付 いているコウモリやハチトリなどがあり、ちょっとした空間にぶらさげて飾 ると癒やされそうです。その他全部で20個入荷しています。早いもの勝ち ですよ。  10月から開催される「美術館に行こう!」展に先がけて、9月初めからミ ッフィーグッズを展開する予定です。ミュージアムショップへのご来店をお 待ちしております。 □────────────────────────────────○ 《長崎県美術館メールマガジン》  配信中止・配信先変更は、以下のホームページからアクセスできます。 http://www.nagasaki-museum.jp/ 長崎県美術館────────────────────────────

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