長崎県美術館 メルマガ(vol.44)
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- 長崎県美術館 メルマガ(vol.44)
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- 2008/7/31 12:17
メルマガ長崎県美術館
□──────────────────○2008/7/31(毎月1回発行)
「猛暑の夏休みと秋の美術館」 長崎県美術館 館長 米田耕司
7月19日から学校は夏休みに入りました。連日猛暑日が続いています。
海に山に子どもたちは元気に遊んでいることでしょう。暑い夏、遠くに
出かけることも良いのですが、身近な美術館にも遊びにきてみませんか。
現在、美術館では様ざまな企画を用意してご来館をお待ち申し上げてい
ます。7月23日から開催中の企画展「ホセ・マリア・シシリア1998-2008」
(8月31日まで)では花や蝶をモティーフとした油彩やドローイング、
立体作品や映像作品により、あますところなくシシリアの世界を紹介
しています。国内美術館において初の個展です。この機会にスペイン
現代絵画をお楽しみください。
「エンツォ・マーリ100のプロジェット」(9月7日まで)ではイタリ
アデザイン界の巨匠のデザインの社会的役割・本質に迫る数々の作品
を展観しています。50年にわたり世界各地の産地とのコラボレーション
を行いその功績が高く評価されている、イタリアデザイン界の巨匠の
精神に触れてみませんか。
さらに8月7日から「相田みつを展 いのち-いちばん大切なもの-」
(9月2日まで)が始まります。自分の言葉、自分の書を生涯探究した
本格的回顧展です。わかりやすい言葉で表された深い独特の書の世界
を堪能してください。
この外に美術館コレクション展で開催している「東松照明『ブリー
ジング・アース』」と題した写真展では、宇宙から俯瞰したような諫
早湾干潟の表情を活写した作品を展示しています。
「須磨コレクション2」と「スペイン近代美術2」では、当館の誇る
スペイン美術のコレクションをご覧いただき長崎とスペインの文化
交流に参加してみてはいかが。
暑い夏です。涼しい秋の企画展をご案内します。一昨日(7月28日)
に金子知事、高見カトリック長崎大司教、デ・ルカ・レンゾ日本二十六
聖人記念館長、大堀長崎歴史文化博物館長そして長崎県美術館長の私の
5人で「列福式関連事業・長崎信仰の遺産 時を超えるキリシタン文化
の旅」の記者発表をしました。
今年11月24日、長崎市においてローマ教皇庁主催の江戸時代に殉教した
日本のカトリック信者188人に『福者』の称号を与える「列福式」が
長崎市内で開催される機会に、長崎の美術館・博物館3館でそれぞれ
特別展を開催する運びとなりました。各館のテーマは次のとおりです。
日本二十六聖人記念館「殉教者とその時代-殉教の地 西坂-」、
長崎歴史文化博物館「バチカンの名宝とキリシタン文化-ローマ・長崎
信仰の証-」、長崎県美術館「彫刻家 舟越保武-かたちに込める祈り-」
展です。戦後日本の具象彫刻界をリードした舟越保武の回顧展です。
1950年に洗礼を受けた後、敬虔なカトリック教徒となり、宗教的主題に
基づいた代表作「長崎26殉教者記念像」「原の城」などを制作した
舟越保武の作家活動全体を俯瞰します。10月3日から11月27日まで開催
いたします。3館併せてご鑑賞いただきたくご案内いたします。
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INDEX
1)募集案内
2)展覧会情報
3)注目イベント
4)今月のピックアップ
5)ミュージアムショップ情報
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1)募集案内
■平成21年度 県民ギャラリー利用者募集 8/1(金)-8/30(土)
県民ギャラリーは、本県の芸術文化の振興に寄与するため、絵画、
デザイン、彫刻、工芸、書、写真など皆様が主に美術作品の発表、
及び鑑賞の場として利用していただく展示室です。
このたび、平成21年度の使用について、次のとおり第一次申込みの
受付を行います。
詳しくはこちら>>
http://www.nagasaki-museum.jp/information/kasikaijou/gallaryindex.html
■長崎県民アートボランティア募集 8/1(金)-8/31(日)
「長崎県民アートボランティア」は、長崎県美術館が、平成17年春の
開館以来実施している制度です。その目的は、美術作品や美術館の活
動に興味をお持ちの方々が美術館活動に参加できる機会を提供し、美
術館活動や運営を支援していただくことにあります。現在は、約130名
の方々がボランティアとして登録され、美術館と県民をつなぐ架け橋
として、さまざまな分野で意欲的に活動していただいています。
開館4年目にあたる本年度、さらに充実した事業展開を県民の皆様と
ともに行うべく、新たにボランティアの仲間に加わって下さる方を募集
します。
詳しくはこちら>>
http://www.nagasaki-museum.jp/volunteer/volunteer/index.html
■プレミアカード新規お申し込みキャンペーン実施中 8/31(日)まで
企画展 + 美術館コレクション展が何度でも鑑賞できる!!
お得なプレミアカード新規お申し込みキャンペーン実施中
8月31日までにプレミアカード新規お申し込みの皆様に、下記の2点
よりお好きな商品を1点プレゼントします。
(1)美術館内カフェのコーヒー無料券(1枚)
(2)美術館収蔵作品ポストカード(お好きなもの2枚)
また、プレミアカードをプレゼントとしてご購入された方に、
メッセージカード付きのオリジナルラッピングサービスを行います。
この機会に、お得な会員になって美術館で遊びましょう!
詳しくはこちら>>
http://www.nagasaki-museum.jp/information/riyou/member.html
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2)展覧会情報
■企画展
○7/23(水)-8/31(日)
「ホセ・マリア・シシリア 1998-2008」
1980年代にスペイン現代美術界にデビューしたシシリア(1954-)は、
花や蝶をモティーフに、蜜蝋と油彩を使った大画面の作品を制作して
います。彼の描く花は、生命や宇宙の象徴であり、見る者の五感をダ
イレクトに揺さぶる神秘的な美しさを湛えています。本展では、そう
したシシリアの魅力を、この10年間の仕事によってご紹介します。
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kikaku/index.html
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■美術館コレクション展
長崎県美術館は、主に長崎ゆかりの美術とスペイン美術を収集して
います。常設展示室ではこれらの作品を年数回の展示替えにより
随時ご紹介いたします。
○6/14(土)-9/7(日)
小企画展
「永井敬二コレクションより エンツォ・マーリ100のプロジェット」展
デザインの本質を常に問いながら、計画、製造など携わる人々全てに
とっての創造的な活動とはなにかと模索し、その功績が高く評価されて
いるイタリアデザイン界の巨匠エンツォ・マーリ(Enzo Mari)の作品
を、永井敬二コレクションを中心に波佐見焼の職人たちとの共同開発な
どを交え紹介します。
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/jousetsu/enzomari.html
○6/24(火)-10/13(月・祝)
「須磨コレクション2」
○7/15(火)-10/13(月・祝)
「東松照明『ブリージングアース』」
○6/24(火)-10/13(月・祝)
「スペイン近現代美術2」
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/jousetsu/index.html
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■特別展
○8/7(木)-9/2(火)
「相田みつを展 いのち-いちばん大切なもの- 」
相田みつを(書家・詩人、1924-1991)の本格的回顧展を過去最大規模
で開催します。相田みつをは子どもへの愛情を詩心に託して表現して
います。また、二人の兄を戦死させたことが創作の原点でした。長崎
原爆の日と終戦記念日を挟む会期で、作者の「反戦」の意思を通して
「いのち」という深いテーマを浮き彫りにします。約140点の作品の
ほか貴重な映像資料も紹介。厳格な作家人生のほか、子煩悩でPTA
活動に奔走した親しみある人柄をも振り返ります。
http://www.nagasaki-np.co.jp/index.shtml
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3)注目イベント
■「ホセ・マリア・シシリア 1998-2008」関連企画
○学芸員によるスライドトーク
◇日時:8/2(土)、8/8(金)16:00-16:30
◇会場:講座室
◇定員:先着40名(聴講無料)
○学芸員によるギャラリートーク
◇日時:毎週日曜日 14:00-
◇会場:企画展示室
◇料金:観覧券が必要です。
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■「美術館コレクション展」関連企画
○学芸員によるギャラリートーク
◇日時:毎週日曜日 15:00-15:45
◇会場:常設展示室
◇料金:観覧券が必要です。
○アートボランティアによるギャラリートーク
◇日時:毎週土曜日
(1)13:30-14:15 (2)15:00-15:45
◇会場:常設展示室
◇料金:観覧券が必要です。
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■「相田みつを展」関連企画
○講演会『相田みつをの願い-二人の兄の戦死』
◇日時:8/7(木) 11:20-12:30
◇講師:相田一人(相田みつを美術館館長)
◇会場:ホール
◇定員:先着150名
◇料金:参加無料。但し当日配布の聴講券が必要。
○『親子でふれあうフラワーアレンジメント教室』
◇日時:8/23(土) (1)11:30-13:00 (2)14:00-15:30
◇対象:園児(年長)、小・中学生及び保護者
◇会場:ホテルニュータンダ
◇料金:参加無料。但し事前申込みが必要。
◇申込み締切り:8/15(金)必着
(申込み方法)
(1)郵便番号(2)住所(3)氏名(4)年齢(学年)
(5)電話番号(6)保護者の氏名を明記のうえ、FAXか
はがきで下記までお申し込みください。
※教室の時間は主催者側で振り分けさせていただきます。
(申込み先)
FAX:095-837-0351 「親子でふれあうフラワーアレンジメント教室」係
はがき:〒851-0134 長崎市田中町279-43 長崎花市場 同係
(お問い合わせ)
長崎花市場 TEL095-837-0525(平日9:00-15:00)まで
主催:長崎花市場、長崎県花き振興協議会
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■音楽イベント
○イブニングライブ
毎月第2・4日曜日の夕方から夜にかけて活水女子大学音楽学部と
長崎大学教育学部の音楽家のみなさんが素敵な音楽を奏でます。
『美術』と『音楽』の融合…あなたの日曜の夕方から夜の過ごし方
に加えてみませんか?
・8/10(日)By活水女子大学 (1)16:30-17:00 (2)18:30-19:00
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do;jsessionid=02EF50F46811245C4AD59D5CE0A0232C?command=lecture&id=692
○ながさき音楽祭2008
世界的にも有名な山口修(ギター)、大山平一郎(ヴィオラ)など
錚々たるメンバーが集合!スペインの荘厳な美術と情熱的な音楽が
夜の美術館に響きます。只今チケット好評発売中です。
・9/12(金)美術館室内楽コンサート 20:00開場 20:30開演
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do;jsessionid=02EF50F46811245C4AD59D5CE0A0232C?command=lecture&id=814
・9/13(土)美術館新演奏家協会コンサート(1)16:00-16:40(2)18:30-19:30
第一部は情熱のスペインを中心に、第二部は長崎に祈りを捧げて・・。
人気の無料ロビーコンサート。
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do;jsessionid=02EF50F46811245C4AD59D5CE0A0232C?command=lecture&id=815
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4)今月のピックアップ
「ホセ・マリア・シシリア 1998-2008」 当館学芸員 福満葉子
企画展示室では、スペイン出身のアーティスト、ホセ・マリア・
シシリア(1954年マドリード生まれ)の個展を開催しています。
3年前に当館が開催した「レアル-スペイン美術の現在」展でポスター
になった花の絵をご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本展は、蜜蝋でできた大画面に花を描いた作品で知られるシシリアの、
日本の美術館での初個展。蜜蝋作品と和紙に描かれたドローイングを
中心に、彼の世界をあますところなくご紹介します。
さて、蜜蝋というのは、蜜蜂が巣作りのために分泌する物質です。
普通の蝋燭よりちょっと高価な蜜蝋の蝋燭をお使いになったことのあ
る方はご存知の、濃い蜂蜜色とスパイシーな甘い香りが特徴です。
シシリアは、この蜜蝋を溶かして底に板を敷いた木枠に流し込み、
それが固まってから、その上に油絵の具で絵を描きます。カンヴァス
と違って厚みのある蜜蝋は、それ自体が光を孕んだような独特の色合
いと質感を持っていて、それを支持体に描かれたシシリアの絵は、
見る者を包み込むような優しくも力強い存在感を放っています。それ
に加え、蜜蝋特有の香りが漂ってくるわけですから、彼の絵を見る
側は、いつのまにか五感を総動員してシシリアの世界を受けとめよう
としていることに気づくのです。
今回の展示では、そうした大画面の蜜蝋作品を32点(その他、
紙作品32点、立体と映像の作品各1点)展示していますが、特に注目
していただきたいのが、天井から自然光を取り入れた部屋です。一日
中展示室にいらっしゃる監視員さんたちは、日焼けするんじゃないか
と思うくらいの明るさ。そこに縦180cmもある赤い花の絵がずらりと
並んでいる様は圧巻です。
ところで、シシリアの花の絵は、すべて「消えゆく光」という題名
です。シシリアがしきりに強調するのは、彼が描いているのは決して
「花」ではない、ということです。モティーフとして花を扱っている
のは確かですが、それを通して、光や影、人生のはかなさ、死などを
表現しようとしているようです。花は、西洋美術史的にも、はかなさ
の象徴。そういう意味で、彼は紛れもなく西洋美術の伝統に根ざしつ
つ、蜜蝋を使うなど、彼にしかできない表現を模索しているのです。
そうした模索の過程で、近年のシシリアは、映像作品にも取り組ん
でいます。「私たちを見つめるこの距離」は、夥しい蝶の翅が呼吸
するようにゆっくりと蠢いている色彩鮮やかな作品です。本展では、
この映像を仕込んだ万華鏡のようなボックスを展示していますが、
それ以外にも、カフェやエントランスのアートビジョンでこの作品を
ご覧いただくことができます。特にカフェでは、夜間限定で日除けの
スクリーンにこの映像を投影しています。日が暮れるに従い、少し
ずつヴィヴィッドな映像に包まれたカフェが出現しますので、ぜひ
一度お立ち寄り下さい。
最後に、本展では「ドレスコード特典」として、花柄の服をお召し
の方にポストカードをプレゼントしています。なくなり次第終了する
サービスですので、ぜひお早めにお越し下さい。
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5)ミュージアムショップ情報
ミュージアムショップチーフ 林田美奈子
プラド美術館の新しいオリジナルグッズが入荷しました。もちろん
日本初上陸です!
お勧めはオレンジ・ブルー・グリーンの3色がきれいなキッズシ
リーズです。こちらはプラド美術館が所蔵しているボッスの「快楽の
園」の中のキャラクター等をかわいらしくデザインしたものがモチーフ
となっています。トートバッグL(3,885円)とS(2,100円)はナイロ
ンでコーティングされているので雨の日でも大丈夫です。エンピツ
(210円)消しゴム(283円)リングノート(1,890円)などステーショナ
リーグッズも揃っています。プラド美術館グッズは日本では当ショップ
でしか購入できませんので、おみやげにもお勧めします。
そして、ホセ・マリア・シシリア展のTシャツ(3,000円)・ポスト
カード(157円)は、とても夏らしいアイテムです。ポストカードは
暑中見舞のはがきに使うと喜ばれそうですよ。
新商品たっぷりのショップへのご来店、お待ちしております。
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《お問合せ》長崎県美術館 長崎市出島町2-1 tel095-833-2110
【休館日】第2・第4月曜(祝日の場合は翌火曜)
※8月25日(月)は臨時開館
《長崎県美術館メールマガジン》
配信中止・配信先変更は、以下のホームページからアクセスできます。
http://www.nagasaki-museum.jp/
長崎県美術館──────────────────────────