長崎県美術館 メルマガ(vol.56)

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長崎県美術館 メルマガ(vol.56)
配信日時
2009/5/22 15:14
本文
(vol.56)──────────────────────────

メルマガ長崎県美術館

□────────────────────────○2009/5/22


INDEX

1)館長コラム
2)展覧会情報
 ・企画展
 ・小企画展
 ・美術館コレクション展
3)教育普及・生涯学習事業
 ・みんなのアトリエ開催
4)注目イベント
 ・イブニングライブ
 ・小國雅香&Friends MUSEUM SUNSET LIVE '09
5)今月のピックアップ
 ・「親和銀行コレクション展」
6)ミュージアムショップ情報
 ・「梅雨もばっちり!新商品」

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1)館長コラム
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「故・大川栄二氏のこと」長崎県美術館 館長 米田耕司
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群馬県桐生市にある(財)大川美術館に行ってきました。私の学芸員
時代からご交誼いただいた大川栄二館長が昨年(2008)12月に84歳で
ご逝去されました。
5月14・15の両日、高崎市で開催される第58回全国美術館会議理事会・
総会に出席のため13日の早朝の飛行機で発ち、桐生駅には午後2時過ぎに
着きました。大川館長は1924年(大正13)桐生に生まれ、三井物産の
商社マンを経て、ダイエーの副社長となり、当時の中内功社長の
右腕として急成長するダイエーを影から支えた方として知られています。
マルエツ社長、ダイエーフーズ会長を経て勇退。サラリーマン時代から
約40年間、こつこつと収集したコレクション約2500点(現在約6500点)と
美術館施設を寄贈して、1989年(平成元年)故郷に大川美術館として開館。
大川館長自身の運営による「美の館」として精力的に活動され、私の
若い頃から美術館のあり方や、文化活動と税制のことなど経営者としての
卓越した経験を生かしたお話が非常に魅力的でした。松本竣介や野田英夫
らを核に収集された大きな樹木のような近代美術のコレクションには
館長の思いが染み込んでいました。短い時間ですが、桐生市を一望できる
水道山中腹の同館で大川館長を偲んだ美術鑑賞のひと時でした。
かつては、わら半紙にワープロで書かれた鑑賞の手引きを来館者に
渡していましたが、今では立派な印刷物(リーフレット)になって、
同館を訪れる今も語りかけていました。

「美の館(やかた)の上手な使い方」
1、「絵」とは判るものでなく感ずるもので、音楽と同じです。
  絵ハガキをみるようにザーとみては駄目で、何だか判らなくても
  何かを感じたら、立ち止まってみてください。さもないと「絵」ではなく、
  よい景色や美人を描いたものしか気が付かず、美術館にお出でに
  なったことの価値はありません。
2、画家の有無名に関係なく、「絵」だけみるように、知識は二の次です。
  特に絵の値段など考えたら、もう駄目です。
3、この美術館は博物館法に基づく公益法人ですので、「絵」は皆さんの
  財産で自分のものと思ってみて下さい。そうすると自然に愛情が
  生まれて、今までにみえないこと、感じないことが新しく生まれます。
  そして出来得る限り、何度もみることです。そうすることで人と同じく
  時折会ってみたくなる絵が発見され、こうなるともう「絵画入門」
  卒業です。
4、その結果「よい絵」とは何かが判り、「心を打つ絵」がよいことに
  気が付き、それにより絵以外の人生の諸々にもそんな考えが生まれ、
  あなたの人生が前進します。それが「文化」なのです。

さらに大川栄二館長はやさしく来館者に語りかけています。
「いずれにしても、名画は名曲と同じで一回観ただけではその価値は
半分も解らないものです。本当は同じ絵を何度も観ていただくことです。
その度ごとに深みが肌で感じられ、素晴らしい何かを皆さんに与えて
くれるのです。すでに浦和から十数回ご来館された方がいらっしゃいます。
どうやらその都度観たいものを絞っていらっしゃっているようです。
また夫婦ゲンカの駆け込み空間にしていらっしゃる方もいらっしゃいます。
何にご利用いただいても良いと思います。」

大川館長の声を思い出しながら、館長の美術館設置の心が、これからも
職員の皆さんによって受け継がれて行くことを確信して山を降りました。

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2)展覧会情報
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■企画展(企画展示室)
○4月4日(土)-6月14日(日)
トトロの森を描いた人。「ジブリの絵職人 男鹿和雄展」
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「となりのトトロ」をはじめとする数多くのジブリ映画の美術監督を
務めた、男鹿和雄(おが かずお)が手がけた背景画の展覧会。
名作の数々を支えた、緻密でみずみずしい作品を大々的に公開します。

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kikaku/index.html

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○関連企画 ワークショップ「男鹿さんと森を歩こう」※申込み終了
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展覧会の鑑賞後、ジブリの絵職人・男鹿和雄さんと一緒に「長崎市民の森」を
歩きながら、この季節ならではの自然の表情を観察しスケッチを行います。
※応募多数により、申込みを終了しました。

◇特別ゲスト:ジブリの絵職人・男鹿和雄さん
◇日 時:5月30日(土)10:30-16:00
◇場 所:長崎市民の森(集合場所:長崎県美術館アトリエ)
◇定 員:先着20名(対象:小中学生)
◇参加費:無料

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○関連企画 「はなちゃんず よし笛コンサート」
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ヨシとは、琵琶湖などのきれいな水辺に生えるイネ科の植物で水を
きれいに浄化する植物としても知られています。「はなちゃんず」は、
ヨシの茎を笛の管として使い、手作りの笛で演奏活動を行っています。
よし笛の透明感のある美しい音色をお楽しみください。

◇日時:5月31日(日)(1)11:30-12:00 (2)14:30-15:00
◇場所:エントランスロビー
◇演奏:はなちゃんず
※無料

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■次回企画展(企画展示室)
○6月27日(土)-8月31日(月)
「藤城清治展 光の祈り」
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「影絵」の世界を、独自の表現で芸術として広く浸透させた作家、
藤城清治(ふじしろせいじ)。本展では、初期のモノクロームの作品から
80歳を過ぎての最近作まで、半世紀以上に及ぶ影絵制作の軌跡を振り返ります。

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■小企画展(常設展示室第1・2・4室)
○4月23日(木)-7月26日(日)
「長崎コレクション3 親和銀行コレクション展」
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親和銀行創業130周年を記念し、同行が所蔵する絵画、彫刻、陶磁器
などをご紹介します。岡田三郎助や藤田嗣治、東山魁夷の作品をはじめ、
古伊万里などの陶磁器名品のほか、国内でのコレクションが希少な
イコン(聖像)など約80点を展示します。

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/jousetsu/shinwa.html

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○関連企画 講演会「長崎から世界に輸出された古伊万里」
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同展関連企画として、講演会を開催します。

◇日時:5月23日(土)14:00-16:00
◇講師:大橋康二(佐賀県立九州陶磁文化館特別学芸顧問、前館長)
◇場所:ホール ※聴講無料
◇定員:先着100名

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■美術館コレクション展(常設展示室)
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長崎ゆかりの美術とスペイン美術を年数回の展示替えにより随時ご紹介
しています。

《展示替え》
○5月12日(火)-9月13日(日)「須磨コレクション(テーマ展示(1)風景画)」
○5月12日(火)-9月13日(日)「スペイン近現代美術1」

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/jousetsu/index.html

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3)教育普及・生涯学習事業
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みんなのアトリエ
長大生とアートすると2009
「500色の色鉛筆による色の玉手箱」
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今年で5回目の長崎県美術館と長崎大学の連携ワークショップです。
今年は「色鉛筆」を画材にして長崎大学の学生さんといっしょに
カラフルな絵を描きましょう。

◇日時:7月11日(土)・12日(日)
    (1)10:30-11:30 (2)11:30-12:30 (3)13:30-14:30
    (4)14:30-15:30
◇対象:小学生から中学生(幼児も可 ※要保護者同伴)
◇定員:30名 ※当日受付
◇場所:アトリエ(※一部講座室を使用します)
◇参加費:無料

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○同時開催 「でてこい大きな紙芝居2009 」
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昔話などの紙芝居や、創作紙芝居をサウンドストーリー形式で表現します。
小学生と大学生が共同制作した紙芝居もあります。さあ、今年は
どんな話がでてくるでしょう、どうぞお楽しみに!

◇日時:7月11日(土)・12日(日)
   (1)11:30-12:30(2)12:30-13:30(3)14:30-15:30
   (4)15:30-16:30
◇場所:ホール ※当日受付
◇対象:幼児から
◇参加費:無料

主催:長崎県美術館、長崎大学教育学部中川研究室

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4)注目イベント
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■イブニングライブ
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毎月第2・4日曜日の夕方から夜にかけて活水女子大学音楽学部と
長崎大学教育学部の音楽家のみなさんが素敵な音楽を奏でます。
『美術』と『音楽』の融合…あなたの日曜の夕方から夜の過ごし方
に加えてみませんか?

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○長崎大学による演奏
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◇日時:5月24日(日)(1)16:30-17:00 (2)18:30-19:00
◇場所:エントランスロビー ※無料

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do?command=lecture&id=931

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○活水女子大学による演奏
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◇日時:6月14日(日)(1)16:30-17:00 (2)18:30-19:00
◇場所:エントランスロビー ※無料

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do;jsessionid=87EDCD1405115C5241349308F51565B5?command=lecture&id=932

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■小國雅香&Friends MUSEUM SUNSET LIVE '09
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黄昏の長崎港をバックに、美術館屋上庭園で繰り広げる音楽の祭典です。

◇日時:5月30日(土)開場17:00 開演17:30
◇会場:屋上庭園 (雨天:ホール)
◇出演:ピアノ/小國 雅香、トロンボーン/Tommy、ベース/丹羽 肇、
    ドラム/中村 健
◇主催:オペレーション・モカ
◇協力:長崎県美術館

詳しくはこちら↓
http://www.nagasaki-museum.jp/museumInet/sca/eveScheduleView.do;jsessionid=A37C8E02EE0883F3C4CF75AF3B4284CB?command=lecture&id=952

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5)今月のピックアップ
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「親和銀行コレクション展」当館学芸員 遠山景子 
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現在、常設展示室では親和銀行コレクション展を開催しています。
 展覧会では絵画や彫刻、古伊万里をはじめとする陶磁器、イコンなど
約80点を展示しており、コレクションの幅広さに驚かれることと思い
ます。華やかな古伊万里の数々も目を引きますが、今回是非ご覧いた
だきたいのがイコンです。イコンはキリストやマリアの姿を模した
(描いた)もので、ロシアやギリシア等の正教会では祈りの対象と
されています。今回展示しているイコンはすべて板絵で、信徒では
ない私もこれらのイコンを前にすると崇高な気持ちにさせられます。
 さらに、親和銀行本店本館、懐霄館などを設計した建築家白井晟一を
紹介するコーナーをパティオ前に設け、そこでは実際に使われていた
椅子を展示しています。ポール・ケアフォルムやイームズ、
アルフレッド・キル社の椅子は、デザイン的古さを感じさせず、
今もなお、洗練された印象を与えてくれます。見るだけでなく、
実際に座っていただくこともできますので、体感してみてください。
 最後に、今月23日には大橋康二氏(佐賀県立九州陶磁文化館特別学芸
顧問、前館長)による講演「長崎から世界に輸出された古伊万里」を
予定しています。長崎県美術館では初めての陶磁器の講演会となります。
皆様のお越しをお待ちしています。

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6)ミュージアムショップ情報
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「梅雨もばっちり!新商品」ミュージアムショップチーフ 林田美奈子
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そろそろ梅雨の季節が近づき、新しい傘をご購入予定ではないでしょうか?
オランダの大学生が卒業制作として誕生させた「SENZアンブレラ」
(6,090-5,250円)は風力10の強風にも耐えるスタイリッシュなデザインの
傘です(風力10とは木が根こそぎ倒されるくらいの風です。ちなみに
風力8で風に向かって歩くことはできなくなります。)空気学を用いた
世界初の特許構造により、使いやすく壊れにくい傘となっています。
この傘を持つと強風の雨の日に傘がラッパのようにひっくり返ることは
もうありません。カラーは黒と赤の2色ですので男性にも女性にもお勧めです。
また、雨の日はドライバーの視界も悪くなるもの。
反射板(リフレクター)を着用するとドライバーは100-300m離れた
距離から歩行者を確認することができます。ショップのリフレクターの
コーナーに新しくムーミンのキーホルダー(1,260円)が入荷しました。
種類はムーミン・ムーミンパパ・ムーミンママ・フローレン・ミーの
5種類です。これを着けて、交通安全に努めましょう。

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《お問合せ》長崎県美術館 長崎市出島町2-1 tel095-833-2110
【開館時間】10:00-20:00
【休館日】第2・第4月曜(祝日の場合は翌火曜)

《長崎県美術館メールマガジン》
 配信中止・配信先変更は、以下のホームページからアクセスできます。
http://www.nagasaki-museum.jp/

長崎県美術館──────────────────────────

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